自由は「永続」しなければ意味がない(2)

 前回の記事にて、「自由は永続的なものでないと意味がない」と書いた。では、永続的な自由とはどのようなものか。それを具体的にすべく、以下のようにまとめた。

1.自分の有限資産(お金・時間・労力)を自分のものに
2.ネガティブな事象からの最大限に解放
3.1・2を維持できるライフスタイルの確立



 それぞれ順を追って、説明する。

1.自分の有限資産(お金・時間・労力)を自分のものに

 私たちが生きるうえで必ず持っている3つの資産は有限である。時間は生まれた時から、「死」という有限のカウントダウンが始まっている。労力も若いうちは無尽蔵にあるかもしれないが、加齢とともに減っていく。時間と労力を投資して得るお金も、両者が時を経るごとに稼ぐ手間が減っていく以上、無尽蔵に稼げるわけでははない。ベンチャー発起やギャンブルなどで一攫千金を狙う手段もあるが、これらは運の要素もあるため、皆が皆実現できるわけではない。

 すでに有限だと分かっている以上、それらを自分のために思う存分使いたいと考えるのは、自由を手に入れるうえで当然であろう。自分の資産を、やりたくもない仕事や気の合わない人間関係のために費やさなければならないのは、大変ネガティブなことだ。何かしら大きなリターンがあるのならモチベーションも上がるだろうが、無いのならば自分からさっさと退場してしまいたい。

 何ものにも縛られず、自分の資産を(もちろん自己責任の範疇で)自分の思うままに使える。皆が求めてやまない自由の一般論ではあるが、あらためて認識し直し、要素の一つとして肝に銘じておきたい。


2.ネガティブな事象からの最大限に解放

 前回の記事でも触れたが、会社や学校を辞めたからといって、完璧に自由になれたわけではない。それは一時的なもので、後々孤独や飢餓などの経済的・社会的・精神的な不安に陥ってしまうからだ。これではせっかくの自由の気持ちもかき消されてしまう。アラスカの荒野で命を落としたクリスも、死ぬ前の数日間は孤独や飢餓に悩まされた。

 これは自由の負の側面でもある。一瞬人々にとってポジティブな要素に見える。ところが、それが長期的なものでないと、一瞬にネガティブなものに変わってしまう。これの事例で典型なのは、転職先を決めずに仕事を辞めることだろう。

 とはいえ、人間は生き抜く進化の過程で、ネガティブな要素が優先されやすい思考回路を築いてきた。たとえ、ネガティブな要素を自分の周りからすべて取り除いても、またネガティブな要素はすぐにやってくる。

 残念ながら、すべてのネガティブ要素から解放されるのは困難だが、最大限にそれから解放されることは可能ではないかと考える。それについて、次の項目で述べていく。


3.1・2を維持できるライフスタイルの確立

 この項目こそ、今回の記事で私が最も言いたいことである。

 永続的な自由を手に入れるには、自由を永続できるだけのライフスタイルを確立することが重要である。当たり前のことに聞こえるかもしれないが、意外とこれが実現できない。巷の書店に行けば、それの成功例はいくらでもあるだろうが、万人に共通する不変の真理というものがなかなかない(これは金持ちになるための秘訣と同じだ)。

 とはいえ、現在はネットの普及により、自由のためのライフスタイル確立について、考察・検証・実践を行っているサイトはかなり存在する。おまけにこれらのサイトのほとんどが無料で閲覧でき、ブログやTwitterなどにあるコミュニケーションツールで気軽に質問や相談もできる。

 完璧な法則や真理などの堅苦しい発見などは難しいだろう。しかし、ネットでの情報ややりとりを駆使し、普段から何らかの実践や創意工夫をほどこして、1・2の方法や理論について、素人ながらも模索することは可能だ。フリーな空間での活動なのだから、自分がそれらに関わるでの敷居もかなり低い。


 私自身、自由の獲得に対して、まだまだ模索中の身ではある。とはいえ、永続的な自由を得るためのチャレンジを自分の人生に賭ける(投資する)だけの価値は充分にあると考えている。自由は、誰もが求めてやまない秘宝のような存在だ。海賊王を目指す『ONE PIECE』のルフィのように、そうした秘宝は人生にとってかけがえのない1つのロマンでもあるからだ。



<参考文献>
橘玲『知的幸福の技術』
橘玲『残酷な世界で生き延びるたった一つの方法』
堀江貴文『お金はいつも正しい』
堀江貴文『格差の壁をぶっ壊す!』
高村友也『Bライフ』
本田直之『自由な人生のために20代でやっておくべきこと』


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自由は「永続」しなければ意味がない(1)

 私は「自由を入れるにはどうすればよいか?」と考える際に、よく頭の中でハッキリと思い浮かべることがある。それは「自由は永続的なものでないと意味がない」ということ。


 私たちが生きる社会では、一応簡単に自由を手に入れることができる。典型的な事例は、今ある会社や学校を辞めることだろう。仕事や学校でイライラしたり、泣きたくなるほどウンザリするのはものすごくつらい。組織や社会の束縛から、解放されればどんなに幸せだろう。

 しかし、上記の事例は、自由を手に入れたとしても、それはほんの一時的なものに過ぎない。組織や社会の中で生きることは束縛も多いが、同時に恩恵もある。食べ物、衣服、寝床、インフラ、アイデンティティ、そしてお金。組織や社会では、分業によってさまざまなものが生産される。組織や社会に属している間はその生産物を私たちは享受できるのだ。組織や社会から離れることは、それらの生産物を享受できないことを意味する。

 過酷な飢餓と隣合わせだった太古の人々は、ムラ社会から追放されることは即座に死を意味することでもあったのだ。映画『イントゥ・ザ・ワイルド』のクリストファー・マッカンドレスさん(以下:クリス)は、アラスカの荒野で究極の自由を手に入れた。しかし、それと同時に自由の負の側面である孤独や飢餓に悩まされ、最後は息を引き取ってしまった。

 私たち先進諸国の人々は分業(文明・科学技術)の発達によって飽食の時代を迎えたが、組織や社会を離れることを未だに恐れている。私自身「今の収入が亡くなったら、どう生きよう…」とネガティブになる。クリスのように荒野に出なくても、都会の中でひっそりと住むホームレスは、幸福度がアフリカに住む原始民族よりも低く、他の人々よりも最も低いという。なにも無い大自然よりも、食べものや人で飽和した都会の中で、孤独と飢餓にさいなまれるのは最悪の人生であることは間違いない。

 だからこそ、自由は永続的なものではないと意味がない。一時的な自由では、結局孤独や飢餓などの不安にさいなまれては、せっかくの自由も消えてしまう。概念どころか自由を手に入れた時の高揚感も失せてしまう。


 では「永続的な自由」とは、具体的にどのようなものか? 次回の記事で、それを明確にしていく。


ミンティア

 ここ1ヵ月以上にわたって、仕事場でミンティアを食べています。

ミンティア
▲上からコールドスマッシュ、リッチグレープ、アクアスパークの味

 ミンティアはラムネのようなお菓子で、スッキリとした味わいが特徴。仕事先の同僚が食べているのを見て、私も食べてみたのですが、すっかりハマりました。

 職場での長時間労働や人間関係、睡魔にうんざりする中、こうした食べ物があるのは大変うれしい。ガムのようにあからさまに口を動かさずに、口の中で舐めながら食べることもできるので、職場でも上司からは怒られません。最近中途で入社してきた年長の方でもミンティアを食べているのをみかけます(流行っているのか?)。

 皆さんもぜひご賞味あれ。


ミンティア 公式サイト


『自由な人生のために20代でやっておくべきこと』

自由な人生のために20代でやっておくべきこと[キャリア編] (幻冬舎文庫)自由な人生のために20代でやっておくべきこと[キャリア編] (幻冬舎文庫)
(2012/03/07)
本田 直之

商品詳細を見る

 ハワイと日本のデュアル・ライフを実現し、日米にある複数の会社の経営に関わっている本田直之さんの本です。本田さんは実用書や自己啓発本を数多く執筆し、ビジネスに役立つ勉強法や理論を提言している『レバレッジシリーズ』はベストセラーとなっています。

 本書は2009年に出版された『本田式サバイバル・キャリア術』の文庫版です。


 内容は、オリジナルのタイトルである「サバイバル・キャリア術」を身につけて、自分の自由な生活を実現・維持していこうというもの。ここで述べられているサバイバル・キャリア術とはどのようなもので、どのようにして身につけるのか、箇条書きでザッと要約すると以下の通り。

1.「安定」よりも「自由」な社会では、自己責任による行動・判断が不可欠。
2.従来の雇用に左右されない、「雇われない働き方(フリーエージェントなど)」を目指す。
3.時にはリスクをとった行動をとり、より良い結果を得るように努める。
4.会社で働きながら、キャリアアップのためのスキルを学習。
5.キャリアプランには、会社で働いている身分を存分に活用して、立案・実行する。
6.外部でも通用するキャリアスキルを身につける。
7.安易な理由の転職や退職は、身を滅ぼす。
8.自分の身を、わざと不利な環境に置いて、思考やメンタルを高める。



 正直言って内容に関しては、橘玲さんや山崎元さん、城繁幸さんがこれまで主張してきたことと、あまり変わりません。特に橘玲さんの『貧乏はお金持ち』と被るところがいくつかありました。

 しかし、他の本にはない、本田さん独自の実用的な考え方やアドバイスもいくつかありました。「ホウレンソウ(「報告・連絡・相談」の略)ができなくても問題ない」や「ポジティブ・シンキングだけでは生き残れない」などの項目には、とても納得できます。


 読み終えた感想は、とても良い本でした。本田直之さんの本は、本書以外で何冊か立ち読みしたことあるのですが、どれもイマイチでピンときませんでした。そのこともあって彼の本を少々敬遠していたのですが、本書を読み終えてみると、その気持ちが消えました。

 極端な自己啓発の主張(「やればできる」など)もなく、経済的・学術的な見解から書かれているアドバイスには、大変共感できました。文庫版のタイトルと本書の内容はあまり合致していないので、そこは注意が必要です。

 ただ、自由な人生を手に入れる考え方としては参考になる1冊だと思います。オススメです。


レバレッジコンサルティング


『読書力』

読書力 (岩波新書)読書力 (岩波新書)
(2002/09/20)
齋藤 孝

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 明治大学の教育学者、斎藤孝さんの本。2001年にベストセラーとなった『声に出して読みたい日本語』の著者。本書はそのベストセラー本の1年後に出版された新書です。たまたま家にあったものを読んでみました。

 本書の内容は字のごとく「読書力」を身につけるための解説が書かれています。その読書力とは何か? 斎藤さんは「読書が苦にならずに日常で何気なくできる力」だといいます。読書力を高めることで、自分の言語能力や才能を伸ばしたり、他人とのコミュニケーションを円滑にできるといいます。


 と、残念ながら私が本書について紹介できるのはこれくらいまで。なぜなら、内容のほとんどが、読書をしている人間(読書好きの人間)にとって、既知の内容だったり、著者の主観的な解説が強すぎて賛同できないところだからです。たとえば、読書の内容と実体験をセットで味わえることを解説した以下の文。

 私が二十代の頃に、村上春樹の『風の歌を聴け』や『羊をめぐる冒険』(ともに講談社文庫)などが流行っていた。村上春樹の小説の中には、主人公の男が一人でビールを飲む場面がやたらと出てくるので、つい自分もビールを飲む気になってしまう。少し雰囲気のある(しかし安い)バーのような店で、村上春樹の小説を読むというのは、なかなか気分のよい夜の過ごし方であったが、同じことをしている者がいたときは気恥ずかしかった。



 「そりゃ、そうだろう…」としか言いようがない一般論。上記の文の内容が悪いというわけではないですが、「わざわざ書籍で伝えることなのか?」と感じてしまう内容(ブログとかならまだしも)。お金払って読んでる以上、何かしら意外性や特殊性がないと、損した気分…。

 他にも「重要な箇所に線を引く」という行為に関する文が以下の通り。

 線をたくさん引いたところ、つまり自分がたくさんピンときたところ頁には、私は付箋を貼ったり、頁の端を折ったりしている。そうしておくと、あとでパラパラめくるときに、すぐに重要なところを見つけられる。筆記用具を持っていないときなどには、とりあえず頁を折っておき、あとで線を引いたりする。一文一文に線を引くのが面倒なときには、一段落まとめて上の方にチェックして二重丸や三重丸をあとでつける。



 大学のディスカッションの授業では、上記のような読書方法を教わったりしますが、何かしらの専門書や参考書ですでにやっている方も多いのではないかと。受験や資格取得のための参考書や問題集を使う時に、上記の方法を使う人もいたりするので、改めて新鮮味はないと感じました。


 読み終えた感想は、ものすごく微妙。一応本書自体、読書しない人向けに書かれた本ですが、一読書好きの人間である私から言わせると、別に読む必要なし! 読書に親しむなら、この手の解説本(マニュアル本)を読むより、自分の興味ある・好きな分野の書籍を乱読した方がためになりますし、楽しい。読書好きの人なら尚更です。


斎藤孝のホームページ

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