ビッグイシューを読んでみての感想

 「2~3日ベースでブログを更新したい」と過去に言っておきながら、更新できずに申し訳ない。気を取り直して、さっそく更新を。


 今年の3月の終わり頃、行きつけのお医者さんの帰りに渋谷駅で途中下車してぶらぶら歩いていたところ、ビッグイシューの販売員の方に出会いました。

THE BIG ISSUE 表紙
▲私が買ったビッグイシュー(表紙は乙武洋匡さん)

 ビッグイシューとは、同名の雑誌販売を通してホームレスの仕事づくり・社会生活復帰を支援する事業。雑誌は1冊300円で、販売利益160円が販売者(ホームレス)の方々の収入になります。ホームレスの方々は販売員として、ビッグイシューを売り続け、最終的に溜まった資金で住居の確保・就労に至るというもの。

 以前読んだ雑誌『フリーターズフリー』でビッグイシューのことを知り、「買って読みたい」と販売場所の一つである渋谷の街を何回か探し回ったのですが、なかなか販売員の方に出会えず。で、今年の3月になって、偶然にもようやく販売員の方に出会え、買うことができました(ちなみに販売員の方はホームレスとは思えないくらい身なりが整った普通のおじさんでした)。なんだかんだで、読むのスッポかしていましたが、今日でようやく読み終えました。


 ではさっそく、雑誌の内容についての紹介。

 内容は昨今の時事問題に関する専門家へのインタビューや著名人へのインタビュー、時事に関するニュースの取り上げ、雨宮処凛さんなどの著作家のコラム掲載など、書かれていることは巷の雑誌とあまり変わらない印象。しかしビッグイシュー独自(?)として、読者から投稿された質問に販売員の方が答える人生相談や海外で活躍する販売員の紹介やホームレス生活を体験した貴社の記録なども掲載されています。

 雑誌の厚さは、R25などのフリーマガジン並みに薄く、雑誌を見た私の父が「それで300円も取るのか!」と驚いてしまった。サイズはA4サイズと大きく、販売員や読者が持ち運ぶことも考えるとこの厚さは妥当かも。


 読み終えた感想ですが、雑誌そのものは割と普通でした。普通すぎて、どうもしっくりこないというのが本音。

 高村友也さんも自身のブログで仰っていましたが、「ホームレスの方々に関する話題をもっと出してもいいのではないか?」と思ってしまった。私が買った雑誌では、原発問題が特集で大きく組まれていましたが、正直その手の話題は他のマスメディアでいくらでも語られているので、「わざわざビッグイシューで語るものなのか?」と疑問。

 ホームレスの方々のみならず、現代社会で生きづらいと感じている人々や、世間一般の価値観とは違った人々の姿も取り上げたらどうだろう。ニートやひきこもり、あるいは何らかの活動で生きている方々などを取り上げてみると面白いかも。

 販売場所は渋谷以外にも都心・郊外含めてさまざまな場所で販売されているので、気が向いたらふらっと探してみて買うのも良いかと。販売場所は公式サイトに明記されています。


ビッグイシュー日本版公式サイト


スポンサーサイト

「自分が何をするのか(したいのか)?」

 今回の記事は少々過激な発言や文章を書いておりますが、それを了承したうえでお読みください。


 世の中さまざまな物事や人々をバッシングする人間というのは、確かに存在する。「俺にカネがないのは、金持ちのせいだ!」「お前は社会人失格の根性無しだ!」、こんな風に他者を容赦なくバッシングする者は皆さんの周りでも少なからずいる(もしくは、いた)のではないだろうか。

 私もこうした輩と運悪く遭遇したことはあるが、本当に腹立たしい。何が腹立たしいかと言うと、彼らの無責任な振る舞いである。あうだこうだと他者に口出ししたり、突き放すような態度で、他者のやり方や考え方を強制しようとする態度には、血がにじみ出てしまいそうなほどの拳ができる。

 相手のことを親身になって考えているのであれば、親だろうが、友人だろうが、学校の先生だろうが、職場の上司だろうが、それは誰だってかまわない。ただし、それは誰であろうとその言葉ややり方に責任が持てない(持たない)者は絶対やるべきではない

 私自身も含め精神疾患持ちの人々にとって、この手の輩は迷惑極まりない。これは細川貂々さんさんの『その後のツレがうつになりまして。』にもアドバイスとして書かれているが、第三者の無責任な発言はうつ病を悪化させる原因に大いになりうるからだ。

 「おまえなんかどこ行っても同じなんだよ」「根性がない奴は何やっても上手くいかねえよ」。こうした発言をしておきながら、相手が何かしらの困惑や問題に巻き込まれた際は、「そんなことは自分で解決しろ」「それもおまえが悪いんだ」と無責任に問題を放り投げる。当の問題を起こした本人が投げ出しては、事が良くならないのは当然である。こうなると、結局バッシングする輩は、バッシングしかできないということになる。単にバッシングして物事が良くなるのならば、世界情勢はとっくに良くなっている。

 上記に述べた通り、バッシングするだけでは意味がない。私自身もそうだが、人間は感情的になると無暗に無関係の人々や物事に八つ当たり(バッシング)してしまう。これでは何の進展がないし、物事の解決も進まない。


 では、何が大切なのか? 今回の記事で私が最も述べたいことはここにある。そうなってしまいそうな時に、私がよく自分自身に問いかける言葉がある。

 「私は何をしたいのか?」
 「私は何をするのか?」


 この言葉を自分自身に問いかけるようにしているのは、NPO共育学舎の代表である三枝さんから教わった「人の振り見て我が振り直せ!」というアドバイスから成る。

 このアドバイスは、三枝さんが何度か口にしていた言葉で、「何かしらの物事や人々に対して、それらから何を学びとり、それを自分の振る舞いにどう活かすか」の重要性を説いたものである。

 三枝さん曰く、ニートやひきこもりなどの人々は根性がないのではなく、現代の社会の歪みであると。彼らの心情や社会背景を読みとり、それをどう自分に活かすのかが問題だとも述べられた。単に彼らをバッシングするだけの者は、三枝さんから見れば、結局何かしらの問題を他人事だと捉えて、自分の振る舞いを治そうとしない連中だという。

 私が三枝さんのこのアドバイスを教わってしみじみ感じるのは、最終的に「他者が何をするか?」ではなく「自分が何をするのか(したいのか)?」ということだ。周りがやらないのならば、自分自身でやる。これには、私が過去に書いたこちらの記事にも通じるものを感じた。三枝さんの言葉を反芻して、自分自身から行動を起こすことの大切さを切実に思う。それを思えば、単なるバッシングやヤジなどの批判ばかりの言うことには、聴く耳を持ってもしょうがない。


 「自分が何をするのか(したいのか)?」。これを日々自分に問いかけることで、自分自身の心をより落ち着かせ、行動を起こすことに発破をかけるようにしていきたい。


『てんてんの大丈夫、きっとうまくいく。』

てんてんの大丈夫、きっとうまくいく。てんてんの大丈夫、きっとうまくいく。
(2009/12/13)
細川 貂々

商品詳細を見る

 ベストセラー『ツレがうつになりまして。』でおなじみの細川貂々さんが描いたコミックエッセイ。ブックオフにて、たまたま105円で売られていたものを、興味本位で購入。


 著者である細川さんが、「やりたいことが見つからない」「うまく人と合わせられない」といった人生の悩みや迷いについて、そんな人生を送り、どのように克服したのかを赤裸々に描いたコミックエッセイ。

 本書では、彼女の人生の道のりを「十牛禅図」という10枚の絵に照らし合わせながら、描いています。これは中国の宋の時代に描かれたもので、禅宗のお坊さんが修行の中で悟りを開いていく段階を「牛を探す人」にたとえたマニュアルのようなもの(Wikipediaに十牛禅図の絵が掲載されているので、そちらを参照)。

 ツレさんの解説によると、牛というのは昔農作業などで役立つ「道具」かつ「財産」でもあるものの、一つの生きものとして荒々しく制御できない存在でもあるといいます。その二面性を持つ「牛」の姿を借りて、本来持っている自分の「心」の姿を表現しているのではないか、といいます。

 本書は、人生を良くするための明確なハウツーや法則などは、基本的に書いていません。「十牛禅図」に照らし合わせて描かれた細川さんの人生の道のりを読んでみて、自分自身(読者)の悩みや迷いの中での新しい一歩を踏み出すためのヒントを、読者自身が考えて見つけていくというスタンスとなっています。


 では、本書の内容の大部分を占める、細川さんの人生の道のりを紹介。

 細川さんは、子ども時代の「まわりの人と同じようにできない」というネガティブな経験から、「どうせ何やっても、うまくいくはずがない!」という強いマイナス思考になってしまったそうです。高校進学や就職ができたものの、なじめず、苦悶の日々だったそうです。「まんが家になりたい!」という希望で入学した専門学校でも、なかなかうまくいかず。

 そうした中で同じ専門学校生だったツレさんと出会い、彼の励まし・応援のもと、まんが家になる決意を固めます。その後お二人は結婚し、細川さんはまんが家としてスタートしますが、仕事がうまくいかず。ツレさんは、根がマイナス思考の彼女(通称:マイナス思考クイーン)を何とか叱責し、彼女の作品を世に出します。

 その後もうまくいったりいかなかったりの繰り返しで、暗中模索の日々を送る中、ツレさんが会社のストレスで「うつ病」に。自分のネガティブな言動が、ツレさんがやっているのを見て、初めて分かった自分の未熟さ。ツレさんの励まし・応援がなくとも、自力でやっていけるようになることを彼女は決意。

 マイナス思考に振り回されないよう物事を楽しむ努力をすべく、「大丈夫!」といったポジティブな言葉を口癖にし、それを自分自身に言いきかせていく。マイナス思考クイーンの自分とも、無理に変えようとせず、ポジティブになろうとしている自分とうまく付き合っていく。

 その結果、彼女の思考はポジティブなものになり、自身が描いた作品もベストセラーになりました。生活も安定し、ツレさんの病気も改善していきました。ツレさんは解説にて、彼女が手に入れた現在の生活の道のりにおいて、お二人がいろいろなことを考えて、新しい時代のモノサシ(生き方・価値観)にたどり着くヒントを探してみたとのこと。そのヒントが「十牛禅図」だったといいます。


 読み終えた感想ですが、「読んで良かった」と感じる良書でした。

 読んでいく中で、「こういう悪いところは、自分にもあるんだよな…」「細川さんのこのマイナス思考はまさに自分だ!」と思えるほど、自分に当てはまるところが多かったです。かくいう私もネガティブな思考になりやすい人間なので、細川さんの苦悶には共感するところや、自分に当てはまるネガティブ要素がグサリと的中していました。

 何度か読み返していくうちに、細川さんのポジティブな振る舞い方や彼女自身の赤裸々な生活状況を参考に、「自分でも何かポジティブな気分やエネルギーを出せるようにできないか」と考え、少しずつやるようにしました。本書だけでなく、共育学舎で学んだ人生メモや他の読んだ本も参考にしながら、少しずつではありますがやっています。

 人生のことで悩みや迷いがある方にぜひオススメです。堅苦しい内容ではないので、息抜き感覚でサラリと読めます。


細川貂々さんの公式サイト「とかげのしっぽ」


『その後のツレがうつになりまして。』

その後のツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)その後のツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)
(2009/04)
細川 貂々

商品詳細を見る

 ベストセラーとなったコミックエッセイ『ツレがうつになりまして。』の続編。本書は数ヵ月前にブックオフで買ったものですが、今まで当ブログで取り上げることをすっかり忘れてました。今回、あらためて取り上げます。マンガではありますが、内容は実用書としての要素があるので、ブログ上での分類は一般的な本として取り上げます。


 先ほど述べた通り、本書はうつになってしまったツレとマンガ家である奥さんの細川貂々さんの生活の日々をつづったコミックエッセイの続編。

 続編ということなので、お二人のその後の生活が描かれているのはもちろんのこと、前作では描かれなかった、前作の出版前と出版後の戸惑いや反響、ツレさんと細川さんがそれでどう変わったのか、などなど。うつに真摯に向き合ったお二人の生活や想いが赤裸々に描かれています。

 お二人に関することも見どころですが、それと同時に本書で個人的に大きく注目したのは、うつに関する接し方や支援制度などの具体的なアドバイスが書かれているところ。前作でも、うつに対する接し方については書かれていましたが、本書では前作以上にそうした情報の量や質が大幅アップ。特に具体的な対策としての、本人と周囲の人々の行動の取り方や支援制度の存在などは、かなり役に立ちます。

 それらについて「そんなに役立つ情報なら、教えてよ!」と思われた方もいると思うので、いくつか紹介しましょう。

 まず紹介するのが「障害者自立支援制度」。本来は、健康保険で3割支払いになる自己負担の医療費を1割支払いに変えてしまうという、びっくりしてしまうほどの超お得な支援制度。字のごとく、何かしらの障害を患った人々のために制定された法律で、うつ病などの精神疾患にも適応されるといいます。

 意外とこれが世間では知られておらず、かかりつけのお医者さんでも、薦めてくれる所とそうでない所があるので、知ってる人と知らない人との医療費負担が差が大きくなります(かくいう、私も本書を読むまで知らなかった。私も現在申請中)。申請が可能かどうかは、お住まいの役所の公式サイトを見たり、役所の担当者に相談しましょう。

 次に紹介するのが、うつ病の方と関わりで気をつけなければばらないこと。これはうつ病に限らず、精神疾患の方との関わりすべてについて言えることです。その中でも、特に気をつけたいと思えるのが、「ついついやってしまいがちだがキケンなパターン」。うつ病の方々と関わる中で、何気ない言動がうつ病を悪化させてしまうケースがあります。

1.他人(同じ病気になってしまった人)とくらべる。
2.安易で無責任な発言をする第三者をまきこむ。
3.本の内容をうのみにする。
 (役立つケースもあるが、ケースごとによく考えるようにする)。
4.無神経に相手にふれようとしたり、イヤがることをする。
5.症状がよくならないことに対し、医者や薬に対して腹をたてる。
 (何年も回復しないようだったら、お医者さんを変えてみるのもよい)



 精神疾患を持つ身として、2番と4番のことには、かなり厄介。この手のことをする人はけっこう多い。精神疾患という、目に見えない病気への理解が世間一般になかなか浸透してないというのもあるかもしれないが、いずれにせよお互いに責任を持って行動することが望ましい。


 読み終えた感想ですが、とても素晴らしい本でした。特にうつに関する接し方や支援制度などの具体的なアドバイスが書かれていたのが、一番の見どころでした。かなり参考になるし、マンガなので読みやすい。

 精神疾患の有無に関わらず、皆さんにぜひ読んでもらいたいオススメの一冊。現在は文庫版も再販されているので、そちらで手軽に読むのも良いと思います。


細川貂々さんの公式サイト「とかげのしっぽ」


福満しげゆきさんの漫画が面白い

 先月、以前からやりたかったゲームソフトを貸してくれた友人が、一緒にある漫画を貸してくれました。福満しげゆきさんの漫画『福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ』。

福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ (ファミ通クリアコミックス)福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ (ファミ通クリアコミックス)
(2012/12/27)
福満しげゆき

商品詳細を見る


 本書で書かれている内容が、大変興味深かったので、今回はそれについて書いていきます。本の紹介というと、普段当ブログでは「読書」のカテゴリで紹介するのですが、あまり実用的でないし、完璧にゲームという趣味の範疇の本なので、「ゲーム」のカテゴリとして紹介します。


 本書は、『週刊ファミ通』に2009年以降から連載している彼の4コマ漫画を、書きおろしコメントも加えて、書籍化したもの。

 4コマ漫画の内容は、著者である福満さん自身が主人公とし、ゲームに関する主義主張や、それに関する彼のエピソードなどをほのぼのと描きつづっています。話題となっているゲームのネタは、プレイヤー(ユーザー)なら「あるある!」と思わずうなずいてしまいそうな内容や、福満さん自身が「こんなことをしているのは僕だけでしょうか…?」といった彼の苦悩や自虐をつづった内容、新作ゲームソフトやハードに対する彼の論評など、さまざま。

 その中で、私が個人的に気になったものをいくつか紹介。肝心の漫画は、著作権の都合で載せられないので、読者の皆さんには申し訳ないが、私の説明で勘弁していただきたい。書き下ろしコメントの方は、普通に引用していきます。


【僕にはゲームしか】

 福満さんは、ゲーム以外の物事(野球やサッカーなど)に全然興味がないらしく、外に出ても何もすることなく帰るといいます。そんな彼は言います、「僕にはゲームしかないんです!!」と。

当時はオタク的なものが偏見を受ける時代でしたし、高校生になったらゲームはやらないよね、といったスカした世の中でしたね。プレイステーションが登場するまで、そんな時代が続いていました。みんな何をしているんだろう、何が楽しくて生きているんだろうと、疑問に思っていましたね。実家にいたころも、犬の散歩するしかなかったです。後はゲームですよ。


 これは同感。私も野球とかサッカーとか世間で騒がれている物事はあまり興味がないので。「ゲームしかない!」とまでは言わないけど、私も「娯楽にゲームがないのは寂しい」と感じるタチなので。

 私も周りの同年代に「なんでゲームやらなくなったん?」と聴いて回ったことがあるけど、たいてい上手く答えられなかった人がほとんど。自分の趣味を他者に押し付けるなどの傲慢なことを言うつもりはないけど、テレビゲームに馴染んでいる人が多い自分たちの世代で、「ゲームやっていない」と聴くと、福満さんと同じ疑問を感じてしまう。

 福満さんの世代では、「高校生くらいになったらゲームは卒業」という雰囲気があったらしく、福満さんが高校生の頃は周りでゲームをやっている方はほとんどいなかったそうです。

 私の高校時代も思い返してみると、何かしらゲームをやっている人はそれなりにいたけれども、多くのソフトをガンガンプレイしているのは私と当時の友人くらいでした。後の人は『ファイナルファンタジー』や『龍が如く』などの超話題作くらいしかやってませんでしたね。プレイする人はいても、ガンガンやっている人はいなかった。


【時間を忘れてやりたい】

 福満さん含め、ゲームに馴染みのある30代~40代の世代は、ゲームを買ってもプレイを始めるまで腰が重かったり、やらずじまいだったりするといいます。彼らは仕事が忙しい関係で、始めようにも始められないというのが本音らしいです。

かくいう、私も勤め人として働いていた時はなかなか始められなかった。ファミコン世代の従兄弟(現在はとっくに社会人)も、PS3を買ったけど、あまり遊んでいないとか…。

 そうなると「買わなければいいでは?」とつっこまれるのですが、「どっぷりと、時間を忘れて、ゲームを楽しんでいた少年時代のようにやりたい!」と福満さんは語ります。

あるとき気付いたんです。ゲームかどうこうじゃなくて、僕ら30歳代や40歳代の問題なんじゃないだろうか。ゲームかものすごく盛り上がっていた時期に育っているから、ゲームがあるのが当たり前だし、ゲームが進化していくことも当たり前に感じています。でも、もしかしたら、そうじゃないのでは思ってしまったのです。ゲームに取ってかわるものが現れたとたん、ゲームがなくなってしまうのではと。そんな不安を抱いてしまったんです。



 私もゲームをやる時は、時間を忘れるくらいどっぷりやりたい。福満さんは別のページで、「据え置きハードのゲームは、仕事で忙しい社会人はじっくりプレイできないから、お手軽にプレイできるアプリゲームに人が流れてしまうのではないか」という主旨の発言もしていました。これは同感。確かにゲームの内容自体が、プレイヤーの時間の都合に合わせられず、プレイに精を出すことが難しくなっていることは私も感じます。


【進化を見守る】

 福満さんのゲームに対するスタンスが描かれているページがあります。

 彼は過去に読んだ『こち亀』の何巻かに書いてあった「進化していくゲームを見続けられるので長生きしたい。楽しいじゃないか」という感じのセリフに非常に感銘を受けたのだそうです。そこで福満さんは「人はそのためだけに生きたっていいじゃないか」と思い、「生きよう。生きるのつらいけど、ゲームの未来を見守るために…」と。

 「大人の態度でゲームなんか卒業しちゃいたい気分に襲われても、ゲームの進化だけは見守り続けたい!」というスタンスを取ることを決意したそうです。

 これを読んだ時、以前テレビで紹介されていた外国の話で、嵐の海から生還した男性が「ワールドカップを観たいから」という気持ちで九死に一生を得た男性の話を思い出ししました。

 傍から見たら、世間一般の大義名分とはあまり縁がないスタンスと言えますが、ゲームなどの娯楽で「人生の生き方や見方が変われる」ということに魅力を感じるスタンス。ファミコン時代からゲーマーである福満さんだからこそ、考え出した答えではないでしょうか。私もゲームが好きな人間の一人なので、「こうした気持ちで、自分の人生とゲームに関わりが持てるのはいいなあ」と思った。


 ゲームが好きな方なら読んでみて、「これ、あるある!」と思わずうなづいてしまうものもあるので、オススメの一冊。皆さんもぜひ手に取ってみてほしい。

 ただ、本書で描かれている福満さんはちょっとネガティブな性格や雰囲気を持つ方なので、人によってはそこで気分がブルーになるかもしれないので、ご注意を。



福満しげゆきホームページ