『SiCKO(シッコ)』

スマイルBEST シッコ スタンダード・エディション [DVD]スマイルBEST シッコ スタンダード・エディション [DVD]
(2009/10/23)
マイケル・ムーア

商品詳細を見る

 マイケル=ムーア監督のドキュメンタリー映画。アメリカの医療制度・保険制度について、厳しく批判しています。

 知っている方も多いと思いますが、アメリカは自由の国ではあるものの、医療制度・保険制度があまり充実していない国としても有名。風邪などのちょっとした病気の治療や処方箋でも、高額な費用を要求されます。本作では、日本人でも知らなかったアメリカの医療制度・保険制度の悲惨な実態が映し出されています。

 金銭的な面から医療保険に加入できず、治療を諦めた人、自分で治療をする人。保険に加入できても、厳しい(不条理な)審査による拒否で、治療ができなかった人。薬を購入すために、現役で働き続ける高齢者。9.11でボランティアで救助活動で疾患を患ったにも関わらず、国から何も支援がされない元救命士など。この映画を見るまで、「アメリカの医療制度って、こんなにひどいものだったなんて…」と愕然とした。

 この映画でアメリカの医療制度・保険制度がこれほど悲惨である原因は、保険会社があらゆる手段を講じて、保険加入者への医療費の負担を拒否し、拒否した分だけ利益が上がるというトンデモな営利主義で儲けているからだとのこと。保険会社は政治家とも結託して、自分たちの営業に有利になるように賄賂までばらまいたという(製薬会社も行っているという)。賄賂を受け取った政治家の中に、『華氏911』でメッタクソに批判されたブッシュ大統領(当時)がいたのには、思わず笑ってしまった。

 アメリカの現状だけだとものすごくネガティブな印象だけど、この映画ではフランス・イギリス・カナダ・キューバの医療制度・保険制度についても触れられています。この3国では、医療制度・保険制度ともにアメリカ以上に物凄く充実しており、マイケル=ムーア自身も驚いていた(日本人から見てもびっくり)。特にキューバは、発展途上国でなおかつ、冷戦時代にはアメリカとにらみ合った敵国だったのに、国民皆保険制度があって、アメリカ以上の居心地の良さ。ムーア監督はこれらの国々にならって、アメリカも充実した医療制度・保険制度を作るべきだと主張します。

 ところで、日本も国民皆保険が導入されているのですが、本作では取り扱われていません。日本の現在の社会情勢や社会問題が国際社会でも問題になっりした経緯から、ムーア監督は取り扱わなかったのかもしれません。

 ドキュメンタリー映画なので、普通の映画と違いだれてしまうとこともありますが、場面によっては一部の内容を面白おかしく表現している(保険の対象にならない病気を、スター・ウォーズのオープニングのように紹介するなど)ので、あまりだれません。医療制度・保険制度について、日本でもどうするか議論になっているので、日本人も見ておいて損はない映画です。オススメ!


スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する