『イントゥ・ザ・ワイルド』

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]
(2009/02/27)
エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン 他

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 原作はノンフィクション小説の『荒野へ』で、ジャンルはヒューマンドラマ。

 1992年、アラスカの荒野で24歳という若さで亡くなったクリストファー・マッカンドレスさん(以下:クリス)の旅路を描いたヒューマンドラマ。物語は彼が大学を卒業して旅に出てから、アラスカの荒野で亡くなるまでの軌跡を描いたものになっています。

 あらすじは以下の通り。

裕福な家庭に生まれ、物質的に恵まれた環境で育ったクリスは大学を優秀な成績で卒業する。両親はハーバードのロースクールに進学することを望んだが、金で物ばかりを与える親に嫌気が差したクリスは学資預金を寄付し、身分証を切捨て、この世界の真理を求めアラスカへと旅に出る。旅路の中で様々な人と触れ合い、本当の幸せとは何かを知る。
Wikipedia>より引用


 物語の進行は、クリスがアラスカの荒野での生活や心境を写しつつ、ところどころで彼が大学卒業してからアラスカに着くまでの旅の回想が流れるというもの。そのためストーリーの順序はバラバラですが、アラスカ生活(現在)と過去の回想の2つの時間軸が並行して、展開していきます。

 クリスの旅路には、さまざまな体験や人々との出会いがありました。体験の出会いは、農業体験、激流下り、恋、大都市での虚無感など。人々との出会いは車で放浪中のヒッピー夫婦、ジャイアンみたいなガタイの良い農家、メキシコを目指して南下する若者カップル、ヒッピーの集落に住む少女、家族に先立たれた1人暮らしの老人など。

 彼は最終的にアラスカに到着して、たまたま発見した廃バスをねぐらに生活を始めます。しかし、日が経ていくことに食糧確保の困難や、孤独に対する不安から、アラスカでの生活に支障をきたしてしまいます。いろいろ考えを見つめ直して、故郷へ帰ろうとするも、川が増水したせいで帰ることができなくなり、ますます生活が苦しくなります。最後は誤って食べてしまった有毒の植物により、体調を壊し、バスの中でひっそりと亡くなってしまいます。


 この映画を知ったのは、私が大学2年生の時。当時受けていたある授業の先生から「自由」という概念について学んだ際に、考える材料として教えてくれたことがきっかけでした。とはいえ、その時からもう2年以上経ってしまいましたが…。

 クリスは裕福な家庭に生まれ、物質的に恵まれた環境で育ちましたが、そうした生活・世の中の在り方に疑問を持っていました。そこで彼は、今ある文明社会・物質社会を否定する旅に出ることに。彼はアラスカの荒野にあこがれ、そこで誰にもとらわれない「究極の自由」を目指しましたが、彼の思惑とは裏腹に、「アラスカの自然」と「究極の自由」の負の側面に悩み、最後は「死」を迎えることとなりました。


 彼が亡くなってから、現在で20年ほど経ちましたが、(映画というメディア上、多少の誇張があるとしても)彼のことを思うと無念の気持ちがあふれてきて悲しくなります。彼にはもっと生きていてほしかった。彼がアラスカから無事帰ってきて、「自由」という誰もが求めてやまない概念に何かしらの答えや理論を展開できたら、どれだけ素晴らしかっただろう。

 自分が言うのもおこがましくはありますが、クリスには文明社会をそれほど批判せずに、それをもう少し利用して、生活してほしかった。「Bライフ」を実践している高村友也さんのように、「自分の自由は最大限に享受しつつ、これまで人類が築いてきた文明の利器もつかわせていただく」ぐらいな感じで生活していたら、「アラスカの自然」と「究極の自由」の負の側面を回避できたかもしれない。


 総評としては、素晴らしい映画でした。「自由」の在り方について考えるための材料として、とても良いと思います。自由な生活を目指す人(望む人)なら、ぜひ見てもらいたい作品。


映画『イントゥ・ザ・ワイルド』公式サイト


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