『読書力』

読書力 (岩波新書)読書力 (岩波新書)
(2002/09/20)
齋藤 孝

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 明治大学の教育学者、斎藤孝さんの本。2001年にベストセラーとなった『声に出して読みたい日本語』の著者。本書はそのベストセラー本の1年後に出版された新書です。たまたま家にあったものを読んでみました。

 本書の内容は字のごとく「読書力」を身につけるための解説が書かれています。その読書力とは何か? 斎藤さんは「読書が苦にならずに日常で何気なくできる力」だといいます。読書力を高めることで、自分の言語能力や才能を伸ばしたり、他人とのコミュニケーションを円滑にできるといいます。


 と、残念ながら私が本書について紹介できるのはこれくらいまで。なぜなら、内容のほとんどが、読書をしている人間(読書好きの人間)にとって、既知の内容だったり、著者の主観的な解説が強すぎて賛同できないところだからです。たとえば、読書の内容と実体験をセットで味わえることを解説した以下の文。

 私が二十代の頃に、村上春樹の『風の歌を聴け』や『羊をめぐる冒険』(ともに講談社文庫)などが流行っていた。村上春樹の小説の中には、主人公の男が一人でビールを飲む場面がやたらと出てくるので、つい自分もビールを飲む気になってしまう。少し雰囲気のある(しかし安い)バーのような店で、村上春樹の小説を読むというのは、なかなか気分のよい夜の過ごし方であったが、同じことをしている者がいたときは気恥ずかしかった。



 「そりゃ、そうだろう…」としか言いようがない一般論。上記の文の内容が悪いというわけではないですが、「わざわざ書籍で伝えることなのか?」と感じてしまう内容(ブログとかならまだしも)。お金払って読んでる以上、何かしら意外性や特殊性がないと、損した気分…。

 他にも「重要な箇所に線を引く」という行為に関する文が以下の通り。

 線をたくさん引いたところ、つまり自分がたくさんピンときたところ頁には、私は付箋を貼ったり、頁の端を折ったりしている。そうしておくと、あとでパラパラめくるときに、すぐに重要なところを見つけられる。筆記用具を持っていないときなどには、とりあえず頁を折っておき、あとで線を引いたりする。一文一文に線を引くのが面倒なときには、一段落まとめて上の方にチェックして二重丸や三重丸をあとでつける。



 大学のディスカッションの授業では、上記のような読書方法を教わったりしますが、何かしらの専門書や参考書ですでにやっている方も多いのではないかと。受験や資格取得のための参考書や問題集を使う時に、上記の方法を使う人もいたりするので、改めて新鮮味はないと感じました。


 読み終えた感想は、ものすごく微妙。一応本書自体、読書しない人向けに書かれた本ですが、一読書好きの人間である私から言わせると、別に読む必要なし! 読書に親しむなら、この手の解説本(マニュアル本)を読むより、自分の興味ある・好きな分野の書籍を乱読した方がためになりますし、楽しい。読書好きの人なら尚更です。


斎藤孝のホームページ

本書の紹介ページ



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読書力 (岩波新書)(2002/09/20)齋藤 孝商品詳細を見る 明治大学の教育学者、斎藤孝さんの本。2001年にベストセラーとなった『声に出して読みたい日本語』の著者。本書はそのベストセラー