『働かないアリに意義がある』

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)
(2010/12/21)
長谷川 英祐

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 以前からタイトルを見て、どんな本なのか気になっていたので、読んでみました。副題は「社会性昆虫の最新知見に学ぶ、集団と個の快適な関係」。著者は進化生物学者の長谷川英祐さん。

 タイトルにもある「働かないアリ」の存在から、集団・組織・社会の機能や構造に関するびっくりする理論や真実を解き明かす内容が書かれています。端的に言えば、「個」と「群れ(集団)」の関係

 アリといえば、働き者の代名詞のような生き物ですが、アリやハチなどの多くの社会性昆虫を調査・研究してきた著者によると、実際は1つの群れ(コロニー)にいるアリの7割は働いていないといいます(!)。

 働かないのには、もちろん理由があります。アリは人間のように、複雑な作業をしたり、1つの作業を熟練化することができないといいます。著者が解説する働かないアリというのは、生まれつきの能力や仕事の分担などにより、元々働けないアリたち。

 「働かない(働けない)のに、なんでいるんだ?」というと、働いているアリたちが疲弊したり、いなくなったりして、コロニーでの活動ができなくなった際の補填要員として活動するからです。そうした事態が本当に起きた時は、働かないアリたちは働いているアリたちと同じような活動をするといいます(兵隊アリですら、普通の働きアリの仕事もやったりするほど)。

 といっても、働かないアリの中にはフリーライダーのような、意図的に働かずに群れの恩恵だけを受けるものもいるといいます。著者は自身の社会性昆虫の研究から、群れ(集団)のあり方・考え方を人間社会にも当てはめて、集団の問題や本質を述べています。


 読み終えた感想は面白かったのですが、実用書としては微妙な出来。社会学など社会科学の知識を得るには良い1冊だと思いますが、それ以上の具体的な実用要素がいまひとつないです。

 とりあえず、読み物としては面白い本。息抜き感覚で読むにはちょうど良いと思います。


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まとめtyaiました【『働かないアリに意義がある』】

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)(2010/12/21)長谷川 英祐商品詳細を見る 以前からタイトルを見て、どんな本なのか気になっていたので、読んでみました。副題は「