『年収100万円の豊かな節約生活術』

年収100万円の豊かな節約生活年収100万円の豊かな節約生活
(2011/06/24)
山崎 寿人

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 遊民さんのブログで紹介されていた本。遊民さんの記事を読んでみて、私も気になったので読んでみました。


 著者である山崎寿人さんは東京大学を卒業後、大手酒類メーカーの広報マンとして働くも、30歳で退職。以来定職に就くことも無く、20年以上無職(プータロー)生活を続けている経歴の持ち主です。

 本書のタイトルにもある「年収100万円」とは、山崎さんが所有していた賃貸マンションの収入でしたが、現在はそれを手放し、貯金を切り崩しながら生活する際の金額とのこと。山崎さんは「年収100万円以内でどこまで豊かな生活が送れるか」というゲーム感覚で、自身の節約生活を過ごしているそうです。

 いかに少ない金で、心豊かな時間が過ごせるか―――これが僕流“豊かな貧乏生活術”の目標とするところだ。
柱は二本。
『いかに金をかけずに、生活の質を上げてゆくか』の追求。
『いかに安い食材で、豊かな食生活を送るか』の探求。
 (中略)
 つまり「生活の豊かさ快適さと節約のバランスをいかにとるか」を考え、様々な知恵を絞っている時間それ自体が、僕にとっては何より楽しく豊かな時間なのだ。



 大抵節約というと、生活を切りつめたりしますが、山崎さんの節約はこれまでの節約とはだいぶ概念が違います。「心豊かな時間が過ごせるか」という、ポジティブさが巷の人が行っている節約とはだいぶ違うところでしょう。心身削ってまで行う節約って、結局は上手くいかないですから。


 では、山崎さんの年収100万円の節約生活とは具体的にどのようなものなのか。

 まず食費ですが、山崎さんは料理が趣味ということで、自身の腕前を活かしつつ、安い食材費を使って、およそ500円前後の費用でつくるといいます。本書では山崎さんがつくった料理が紹介されていますが、どれもとてもおいしそうな出来。500円前後でつくったとは思えないほど。

 料理には、ホームベーカリーやヨーグルトメーカーなどの家電製品から、パスタマシーンや中華鍋、業務用火力コンロなど本格的な料理道具を用いてつくっています。これらのものは大半がネットで購入したもの。ポイント制度などを使って、安い値段もしくは無料でゲットしたといいます。


 そんな山崎さんは、「天職はプータロー」といい、「何もしないことを、何よりも大切に」していると言います。

 実際、僕がこの生活を続けているのは、ここには自由な時間が無尽蔵にあるからだ。言い換えれば、何もしないでよいことを、何より大切にして生きているのだ。



 時間は残念ながら「死」というタイムリミットがあるので有限ですが、「何もしないでよいことを、何より大切に」という考え方には私も賛成です。以前高村友也さんの『Bライフ』を紹介した時にも書きましたが、多くの人々は「自由を得た先に何かがある」というように、得た自由に大して何かしら意味や目的を求めますが、「意味なんてあろうとなかろうと別にいいじゃないか」と思います。

 もちろん、立派な社会的目標を持ち、志を抱いて生きておられる方々には敬意を抱きます。ですが一方、世の中を見渡せば、僕などよりはるかにたくさん稼いでいながら苦しんでおられる方や、思うように社会的目標を達成することができず悩んでいる若者たちの姿を多く目にもします。
 僕のような人間が言うのもなんですが、工夫次第・考え方次第で、生活の質を落とすことなく人生など結構楽しめるものですよ。もしや見栄や体面とかに踊らされていませんか?
  (中略)
 何に贅沢を感じるかは、人によって違うのが当たり前。何に心の豊かさを感じるかもそう。なにも自分の幸福や健康をないがしろにしてまで、社会の常識や価値観をそのまま受け入れる必要なんてありません……たしかにそれをそのまま無批判に受け入れ、ただ従っているのは楽なものではありますが。



 上記の山崎さんの考え方に賛成です。日本では、人々にムラ社会独特な社会の常識や価値観を押しつけてきますが、私自身そうした世俗的なものには馴染めません。馴染んでいる人の中には幸せに見える人もいますが、やたらと不機嫌で身の周りを攻撃することばかりする人もいます。結局日本の社会の常識や価値観なんて、後者のような人ばかりを増やすような意味のないものだと思います。

 ちきりんさんの『ゆるく考えよう』にも書いてありましたが、日本では物事を良くするための打開策として「とにかく頑張る式」のやり方を貫こうとします。しかし、上手くいってないのが現状でしょう。


 読み終えた感想は、「素晴らしい!」の一言。年収100万円の節約生活を送るうえでの具体的な方法や、著者の体験談が書かれていて、読んでいてとても参考になりました。「天職がプータロー」という考えは、私が求めてやまない自由の理想像にもピッタリ当てはまります。

 「自由」な生き方を求めている方にオススメの一冊。節約のハウツー本としても良いです。


山崎寿人さんのインタビュー


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