正社員じゃない生き方・働かない生き方

 会社を退職してから10日以上過ぎて、働き方や生き方について考えていると、ふと思うことがある。

 「なぜ、正社員という生き方じゃないといけないのだろう…?」
 「世俗(社会)は、それ以外の生き方を認めようとしないのだろう…?」

 と。

 一応私も東京しごとセンターなどに通って求職活動しているが、巷で叫ばれている「正社員になろう!」という堅っ苦しいアドバイスや人生観に、(生意気なわがままであることを承知で書くが)私はいい加減うんざりしている。

 日本のみならず、多くの先進諸国の国民の大半が正社員(正規雇用)の職業に就けなくて困っているという社会問題が起きている。この問題については、橘玲さんや城繁幸さんを含めた多くの方々が何度も述べているが、グローバル化の影響や雇用情勢の変化によって、「正社員」というこれまでの社会で一般的とされてきた生き方(働き方)がもはや時代遅れとなってきているのだ。

 それにもかかわらず多くの人々は、正社員という生き方を求めてやまない。正社員という生き方を守ろうと、政府は解雇規制を強化したり、求職者は安定した大企業への就職を目指したりするが、いずれも上手くいっていない。むしろ、正社員という生き方にこだわり過ぎて、社会になみなみならない閉塞感を生みだしている。過去にスクウェア・エニックスの和田洋一社長は、Twitterで以下の発言をしたことがある。

正社員終身雇用教って国教かね。そうじゃなくて、セーフティネットと人材流動化のシステム作りの議論をなぜしないんだろ。もう宗教としかいいようがない。学生は被害者だと思う。
 <2010年11月23日 - 6:41



 無論他人がどのよう生き方をするのかは個人の自由であるし、私もそこは否定するつもりはない。私がうんざりしているのは、巷で叫ばれている「正社員になろう!」という堅っ苦しいアドバイスや人生観は、生きるうえで何もかも素晴らしいことだとして他人に押し付けてくることだ。

 どんな生き方をするのかは個人の自由であるのに、なぜ社会はそれを認めようとしないのか。あろうことか、「正社員と言う働き方を通して、人生をより豊かにし、自己実現を可能にする」といったあまりに抽象的すぎる人生論の主張まで、人に押し付けられる。こうした主張には、人によって向き・不向きがあるのに、なぜそれを万人に共通する真理として強要させるのだろうか。私はこのことに強い疑問を感じている。

 実際に正社員として働いてきて、「人生をより豊かにし、自己実現を可能にする」といったことが実現できたのならば言うことはない。しかし、私たちの周りを見て、そのようなことが本当に言えるのだろうか? 満員電車へ窮屈に乗って会社へ通勤するサラリーマンに、生の充足はあるのか? 世界でも高いランクの経済大国にもなったにもかかわらず、幸福度が依然としてあまり変わらない現状に人生をより豊かにすることはあるのか?

 私もわずか5ヵ月という短い間正社員として働いてきたが、退職してからこうした強い疑問がぬぐいきれない。


 私は自分のブログの中でベーシックインカムが社会により良い影響をもたらすことを書いてきた。ベーシックインカムは雇用情勢にも良い影響を与える。これはワークシェアリングと一緒で、個人の能力やライフスタイルに合わせて、正規雇用・非正規雇用どちらに就いても、必要最低限の生活をするうえで支障が出ないように生きていけることが可能となるからだ。

 実際ワークシェアリングが導入されているオランダでは、正規雇用・非正規雇用による極端な経済格差は解消され、雇用の流動化も実現することとなった。


 「正社員じゃないと生活に不安」ということは確かにある。ただ、私は社会のレールからはとうに外れてしまっているし、今さら社会のレールに乗った生き方を目指すのもさすがに難があるし、戻る気もない(そもそも戻れない…)。

 「正社員じゃない生き方・働かない生き方」も、まずは私自身が実践して、それが可能であることを証明したい。


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コメント

「正社員は辛い」を変えねばなりません

初めてコメントさせていただきます。このブログを見つけたのもつい昨日かおとといですけどね。
僕は大卒後、普通に就活をして、2012年4月から都内の小さな民間企業で正社員として働いています。24才です。今、単純に仕事生活10か月が終わるくらいですね。2、3月と務めれば1年という節目の年になります。
さて、このブログにたどり着いていることからも、お分かりになられるかもしれませんが、僕も、仕事辞める予備軍です。とても参考になっています。
込み入った話はここではできません(いつかしてみたいです)が、思ったことを1つ。
「正社員バンザイ」なのは構わないんだと思いますよ。ただ、「正社員は辛い」というくらい働かせる労働環境が悪いんだと思います。
簡単に言えば、「正社員」だって本来は決められた時間を売って決められたお金を貰う存在、アルバイトと似たようなもんだと思っています。ただ、アルバイトよりも長く務めるという前提で仕事が進むという点だけが、企業にとって正社員の「使いやすさ」であると思うのです。
だから、「正社員じゃなくてもいい生き方を普及する」のももちろんいいのですが「正社員でも辛くない」という常識を造ることも大事だと思うんですね。
やっぱり、みんながみんなコロッコロやめちゃうと企業も損だと思うんです。そしてそれは社会全体の損です。正社員という制度が悪いのではなく、「長く働くことを苦痛に感じさせる組織」が悪いのだと思いますよ。
長文失礼しました。

ちょくちょく読みに来ますね。

Re: 「正社員は辛い」を変えねばなりません

>>あむさん
はじめまして、コメントありがとうございます。

>2012年4月から都内の小さな民間企業で正社員として働いています。24才です。
就職した年も、年齢も私と同じですね!

>さて、このブログにたどり着いていることからも、お分かりになられるかもしれませんが、僕も、仕事辞める予備軍です。とても参考になっています。
私の記事を参考にして下さり、ありがとうございます。
あむさんの求める答えが出るかどうか分かりませんが、お役に立ててうれしく思います。
「仕事辞める予備軍」と聴いて驚きましたが、お仕事の不満等があったのでしょうか…。
私はすでに退職した身なので、あむさんもいろいろとご事情があるかと思います。

>ただ、「正社員は辛い」というくらい働かせる労働環境が悪いんだと思います。
>だから、「正社員じゃなくてもいい生き方を普及する」のももちろんいいのですが「正社員でも辛くない」という常識を造ることも大事だと思うんですね。
あむさんの考え方も、とても参考になります。
確かに「正社員で働いても、心身を壊すことなく、労働に従事できる」という選択肢もあると、より個人の人生の自由度が拡がりますね。

>長文失礼しました。
>ちょくちょく読みに来ますね。
いえいえ、今回のあむさんのコメントから、もう少し見直すべき自分の考えの要素をみつけることができました。
今後ともよろしくお願いします。

超かっこいい

No title

>>反社会派さん
ケツの青い生意気なことをガーッと書いたので、自分自身この先どうなるか分かりません。
ただ、「何でも正社員」という考え方ではなく、自分なりに生きていける生活や考え方をまずは構築して、自分自身で実践し立証するのが今後の課題です。
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