『ぼくはお金を使わずに生きることにした』

ぼくはお金を使わずに生きることにしたぼくはお金を使わずに生きることにした
(2011/11/26)
マーク ボイル

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 1年間お金を一切使わない生活を実践し、それを見事に成功することができた方の本。Amazonのオススメ商品一覧に表示されていたものに興味が湧いたので、さっそく買って読んでみました。


 アイルランド出身のマーク・ボイルさん(当時29歳)は、2008年にイギリスで1年間お金を一切使わない生活を実践し、それを成功させました。本書は、ボイルさんがカネ生活を送ったことに対する経緯や体験、自分の思想や社会に対する見解について書かれています。

 ボイルさんは元々オーガニック食品の企業で働いていました。しかし、自分自身と世の中のお金に対する執着、そこから生み出される環境破壊とカネで生じた欺瞞と矛盾じみた社会に強い疑問を持ち、2007年に「フリーエコノミー・コミュニティー」というプロジェクトを創設。お金ではなく、個々のスキルやモノを交換することで、金銭に囚われない無償で自主的なコミュニティーを築くシステムを計画・実践しています。

 本書で書かれている1年間お金を一切使わない生活は、そのプロジェクトにおける実践の一つとして、ボイルさん自身が実際にお金を一切使わずに豊かに生活できることを証明したものです。

 ボイルさんが実践したカネなし生活は、単に「生き延びる」ことが目的ではなく、「お金がなくても豊かな生活を送れる」ことを目的とし、それが可能であることを自ら証明しました。不要・不相応な金銭・物質から解放され、必要な分の資源や技術とそれを分け合う(シェアする)互いのコミュニティーによって、人間は現在よりももっと豊かに生活することができることを彼は主張しています。

 ボイルさんの主張・思想はヒッピーに近いエコロジストで、不相応なまでに行動化・肥大化された資本主義や物質社会によって地球環境が失われ、人々のコミュニティーもだんだん薄れていったということを本書で強く主張しています。


 では、本書で書かれているカネなし生活とはどいうものなのか? ここではザックリと紹介していきます。

 まず、彼はネットなどを活用して、低価格もしくは無料で住居や生活機材を入手し、生活中は金銭の類は一切受け取らず、自給自足や他者からの好意でモノを獲得しながら、1年間生活していきます。

 ボイルさんのカネなしの住居はトレーラーハウスで、ネットの物々交換サイトでなんと無料で譲ってもらったとのこと(!)。電力は中古のソーラーパネルを取り付けて使用し、水はカネなし生活実践の場として利用させてもらっている農場の水道水や、川の水を使用。

 食料は商店から出る廃棄される食品を譲ってもらったり、ゴミ箱に廃棄されていてもまだ食べられる食品を探したり、道端などで生えている野草を採取して食べるとのこと。本書の表紙で描かれている写真は「お茶の時間」を撮影したとのことで、本書では野草で作ったお茶が紹介されています。

 マスコミの取材などで外出する際の交通手段は徒歩、自転車、ヒッチハイクを主に活用していたとのこと。ボイルはヒッチハイクを何度か経験しており、その道中でさまざまな出会いがあったことを述べています。


 本書を読み終えた感想ですが、面白い内容ではあったものの、個人的にはそれほどしっくりくるものではありませんでした。本書を読む前は「『Bライフ』の高村友也さんのような本かな…」と思っていたのですが、高村さんの本とは似ているようで異なっていました。

 高村さんは、「自由」を実現するために必要最低限の生活を送っており、スローライフやエコロジーライフにこだわったものではないです。一方ボイルさんは、「環境保護」という名目のもとでカネなし生活を送っています。前者はあくまで自分の自由を実現するために地球環境に対してこだわりがありませんが、後者は環境保護のために高村さん以上に生活上の規律や制約がキツくなっています。

 私はあまり環境保護についてはほとんど意識しないので、ボイルさんよりも高村さんの考え方やライフスタイルの方が魅力を感じました。ボイルさんが紹介する自身のカネなし生活や自信が身につけた生活の知恵は読んでいて面白いのですが、いかんせん文章ばかりで写真を掲載してほしかったところ。もっとビジュアルで分かりやすく表現してもらいたかった。


 総評としてはそれなりに面白いのでオススメ。お金に関する本としては少々微妙ですが、地球環境問題に興味がある人なら読んでみると参考になるのではないかと。


Wikipedia「マーク・ボイル」

The Freeconomy Community 公式サイト


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