「日本再生加速プログラム」を見て思うこと

 昨日の11月30日金曜日の読売新聞の夕刊に、「追加経済対策1.2兆円」という見出しで、政府が包括的な経済対策を閣議決定したことを報じた記事が掲載された。以下はその一文。

 政府は30日、包括的な経済政策「日本再生加速プログラム」を閣議決定した。このうち、地方自治体の負担なども含めた約1.2兆円(国は8803億円を拠出)の対策を、10月に続く第2弾とする。これにより、実質国内総生産(GDP)を0.2%強押し上げ、新たな雇用を8万人程度生み出すと試算している。衆院選で実績をアピールする狙いをみられる。
<読売新聞 2012年11月30日 夕刊>



 経済対策の意義には、やはり経済成長とそれによる雇用創出が目標として掲げられている。では具体的にどんなことをするのか、以下はその事業と予算の一覧。

【成長支援(国負担分5354億円)】
・雇用対策や生活保護受給者の就労支援:1100億円
・中小企業の資金繰り支援:951億円
・風力発電などに使う蓄電池の実証実験:296億円
・農業漁業者が自ら加工や販売も行う施設の整備:92億円
・通学路の安全対策:25億円
・iPS細胞を使った新薬の研究支援:20億円

【復興関連(3448億円)】
・小中学校の耐震化など:1083億円
・仮設住宅の浴室に追いだき機能を追加:781億円
・災害拠点病院の耐震化:357億円

地方負担などを加えた総事業費:1兆2000億円程度



 上記の具体的な事業を見て、最初に思ったのが「通学路の安全対策」「小中学校の耐震化」などの建築(インフラ)・土木に関する事業が多いことだ。研究支援や就労支援を除いても、建築・土木の事業が多いのだ。

 経済政策と言うからには、何かしらのセーフティネットの創設・増加を期待していたのだが、見事に外れてしまった。建築・土木の事業で国が性を出すというのは、ハコモノ行政や負執拗なインフラ整備につながったりする。結局は、これまでやってきている経済政策となんら変わりがないのだ。自民党もこうしたことをやってきたが、民主党も結局同じことをして、現在二の足を踏んでいる。

 建築・土木の事業で国が性を出すということが、何もかも悪いということを言いたいのではない。それがしっかりと功を成していれば問題ないのだが、これまでの政府の失敗を見てきて通り、それらは結局無駄なハコモノや天下り機関を作り出す口実になってしまっている。


 今回の記事で私が最も言いたいのは、「経済成長を目的とした経済政策は辞めにして、ベーシックインカムのようなシンプルで分かりやすいセーフティネットの構築に精を出すべきだ」ということである。経済成長は、日本を含めた資本主義社会が発展するうえで欠かせない要素だが、現在多くの先進諸国を見ても分かる通り、経済成長を再度生み出すことは容易なことではない。

 もし、ベーシックインカムが導入される事例を考えてみれば、震災によって職や住居を失った方々への必要最低限の生活費が支給できる。また、震災以外でも職や住居を失った方々への必要最低限の生活費が支給できるのだ。無駄な公共事業はまるまるカットでき、そこから節約できた資金をもとに、復興支援を行えばよい。ベーシックインカムは被災された方のみならず、それ以外の事情で苦しんでいられる方々の必要最低限の生活と自由を確立することが大いに期待できる。


 セーフティネットの構築について、声を挙げるひとはなかなかいない。中には、セーフティネットの構築を「単なる逃げだ!」「単なる甘えだ!」とバッシングする者がいる。しかし、私たち人間がいかに不条理な境遇に置かれているかを、橘玲さんが『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』で述べている。そうした境遇の中で、自分にふりかかった災難を他者をむやみやたらに転嫁したところで、不条理な境遇は何一つ変わらない。

 「やればできる」ではなく「やってもできない」。多くの人々がこうした事実に気づいた時、ベーシックインカムをはじめとしたセーフティネットの構築の重要性にも気がつくだろう。


スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

まとめ【「日本再生加速プログ】

 昨日の11月30日金曜日の読売新聞の夕刊に、「追加経済対策1.2兆円」という見出しで、政府が包括的な経済