NPO共育学舎「いなか研修生」に参加(2)

前回の記事はこちら


 今月(2月)の3日から12日までNPO共育学舎(以下:共育学舎)の「いなか研修生」に参加に関する記事の続き。前回の記事はだいぶざっくばらんで書いたので、まとまるが悪い感じが。なので、本記事では、項目(準タイトル)を割り振って記事を書いていきます。

1.共育学舎の生き方

 代表の三枝孝之さんは60歳過ぎの年配の方ですが、世間一般の年配者とはだいぶ物事の価値観や認識が異なっています。ニートやひきこもりに対して嫌悪感をあらわにしたり、むやみな若者バッシングを口にしたりしません。それどころか談話時に「働きたくない」という言葉まで出るほど、おだやかで自由な方です。公式サイトには、三枝さんの人生に対する考えが書かれています。以下がその内容。

主宰者の考え
人はこの世に生まれたら、食べて寝て暮らせばいいのだと思います。
生きていれば機が熟した時、自分にとって良き人との出会いがあり、自分の志が定まります。
その時が来たら行動を起せばいいのだと思います。
実際自分が行動を起した時は
50歳になっていました。

今大切にしていることは
1.自然から学び、自然を知ること。
  農業を生活の基本にしています。
2.社会や他人から学び、自分を知ること。
  寝食を共にしながら、個人の考えを尊重した緩やかな人間関係の中で、
  お互いに学びます。
3.そして足るを、知ること。
  自分の性格と能力に見合った程度の生き方でいいのだと思っています。
  私の3k。 考える 工夫する 稼がない



 今回の「いなか研修生」に参加して、上記に書かれている考えがより実感できました。空気・居心地の悪い環境(オフィスビルや人ごみ)がなく、周りは豊かな大自然とそこからもたらされる新鮮で澄んだ空気。その環境と太陽(おてんとさん)の下で、体を動かして働ける喜び。寝床と食事は、必要最低限の物資(資本)だけでまかなえる環境。外で農作業をやっていても、校舎の中にいても、誰かしら訪れる人々。そうしたゆるやかなコミュニティから何かしらの情報を得たりして、生活の質が上がっていく。

 澄んだ青空の下で農作業をやっている時は充足感がありました。都会で生活している自分が馬鹿馬鹿しく感じるほど。もちろん、物事には何かしらのメリット・デメリットが必ず存在するので、しっかり吟味する必要がありますが、それでも今回の研修生活は本当に居心地が良い。

 「稼がない」という代表の言葉からも、お金に対して執着を持たない(振り回されない)意識の高さメリハリさが伺えます。代表が私に向けて、人生に関するアドバイスをいくつか授けてくれました。以下はそのうちの一つ。

 「生活水準を下げることを考えればいい。上げることは際限がなくて実現が難しいけど、下げる分には『もうこれ以上下げられない!』という限界がある。その限界まで下げるのは簡単だし、実現するのも楽」



2.共育学舎にくる人々

 共育学舎に泊り込んでいる人々は、代表とその家族の他は、3人程度。皆さん若い方でいろいろな思惑から、共育学舎に参加しています。

 大学を休学してまで参加する方や、いきなり飛び込んでそのまま居続ける人々など、さまざま。休学して参加される方は、早稲田大学や明治大学など、名門大学出身の方ばかりでした(新宮市議会議員の並河哲次さんも京都大学出身でした)。巷から見れば、エリートコース一直線で社会生活を送れそうなのに、あえてそうした生き方を選ばずに、共育学舎で自分自身が求める物事に取り組んでいます。

 そのうちの一人である田斉省吾さんは、熊野川町産のお米を販売して中高生の奨学金支援を担うプロジェクト、「熊野川 翔学米」を開始。お米の売り上げの一部を、中高生の海外渡航や留学支援の費用にするもの。地元の新聞メディアからも取り上げられ、注目されています。

 参加者ではありませんが、過去には著名な方々も共育学舎にこられています。ニートであるphaさんをはじめ、ブロガーのちきりんさんやナリワイ実践者の伊藤洋志さん、ひきこもり名人で著作家の勝山実さんもいらっしゃっています(ある教室の窓に彼らのサインがありました)。

 人々も、好きな人同士が自由に集まるので、学校や会社のようなギクシャクした空気や雰囲気はありません。自由な出入りができて、自由に参加できる環境(場所)だからこそ、好きな人・気の向く人だけが自然に集まる。自然とその場が楽しくなる。「自由」という概念の素晴らしさを実際に体感できる場所でした。

3.共育学舎での研修を終えて…

 10日間の研修を終えて、東京に帰ってきました。ですが、あまり「帰ってきた!」という感じがありませんでした。研修で過ごした際の居心地の良さや大自然の中でのんびりできる感動が忘れられません。

 共育学舎の周りには、コンビニやツタヤなどの商店も無ければ、パチンコなどの娯楽施設も金の蔵のような居酒屋もありません。それでも、私にとって何ら不満はありませんでした。明るい時間帯のちょっとした農作業や労働、夜の談笑やちょっとしたインターネットがあれば、カネをはらってまでやるような巷の娯楽は不要だと思いました。

 トイレは屋外にあり、汲み取り式便所。夜の校舎は結構暗く、廊下は節電のため明りをつけていないので、若干怖かった。ですが、これらの物事も1週間もすれば、慣れてしまいました。むしろ、「こうした生活環境でも、充分豊かに暮らせるんだ」ということが、身をもって分かりました。


 わずか10日間だけの研修でしたが、参加して大変良かったと感じました。「また共育学舎に戻りたい…」、そう思えるほどでした。田舎暮らしにおける生活環境、そこに住む人々のネットワークや彼らから発信される有益な情報。いろいろ体験できた分、収穫できたものが多かったです。

 いずれ近いうちに、また共育学舎に参加したいと思います。代表の三枝さんからは「連絡してもらえばOK」とのことなので、今度は来る目的・理由をじっくり考え、明白にしてから、行きたいと思います。


NPO共育学舎の元気な田舎づくり(公式サイト)

NPO共育学舎(もう一つの公式サイト)

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コメント

No title

遅まきながらおかえりなさい。ずいぶん有意義な体験のようでしたね。
ところで、1日のタイムスケジュールはどんな感じなのでしょうか?

No title

>>とらのすけさん
コメントありがとうございます。

>1日のタイムスケジュールはどんな感じなのでしょうか?
追記として記事をアップしました。
そちらに、1日のタイムスケジュールについてまとめたので、ご覧ください。
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