被災者救済も含めてベーシックインカムを導入すべき!

 今朝の読売新聞の記事に興味深い記事が載っていたので、紹介する。

【職のない古里 帰れぬ】
 「稼げる仕事さえあれば古里に戻りたかった……」大槌町赤浜にあった新築の自宅を津波で流された吉田久人さん(33)が、アパートの居間でつぶやいた。震災直後、内陸に70キロ離れた岩手県花巻市に移り、一家5人で暮らしている。
 収入が不安定な遠洋漁業の船員だったが、花巻で妻(37)と一緒に宅配便の運転手として働き始めた。3歳になる長男、病気がちの両親を抱え、住宅ローン2000万円が残っている。「妻の収入にも頼らざるを得ないが、沿岸部では女性の仕事が少ない」。大槌には両親が通える病院も少なく、このまま花巻に根を下ろすつもりだ。
 <読売新聞 2013年3月1日 1面>



 上記の新聞記事は、被災地での人口流出が止まらないことについて書かれたものの一部。震災と津波による瓦礫の散在や、原発事故による放射性物質の懸念から、震災前と比べて住民は3万5000人も減ったという。

 震災が起きてから、まもなく2年が経とうとしているが、社会のムードはネガティブな印象が若干ある。安倍総理率いる自民党は、マニフェストに公共事業をやったりするそうだが、バブル崩壊後も同じようなことをしてきて上手くいっていないにも関わらず、震災復興でも同じことをやるのはいかがなことか。

 被災者の就労支援は特に深刻である。漁業で生計を立てていた人が、いきなり違う分野で働くこととなったら、誰もがとまどう。これは被災者に限った話ではない。


 私は「被災者支援と現在の日本のセーフティネット充実のためにも、ベーシックインカム(以下:BI)を導入するべきだ」と強く考えている。BIは国民なら万人に与えられる必要最低限の保障である(詳しくはこちら)。保障対象者は被災者も例外ではない。これまでのセーティネットでは、取得条件や項目種類が複雑で難しく、必要とされる支給者に行きとどかないケースも多々あるが、BIではそうしたことがなくなる。被災者限定のセーフティネットを構築せずとも、一括でできるシステムがあれば困らない。

 ろくなセーフティネットも整えないまま、無味乾燥な労働ばかり拡め、大した恩恵のない公共事業を延々と続けている。こうしたやり方を続けていても、震災復興を含め、社会がポジティブにならないのは誰でも目に見えている。

 「そうはいっても、他に解決策がないんだ! 文句言わずに勘弁してよ!」
 「被災者の自立のためにも、セーフティネットなんていう甘やかしたものなど不要!」

 こうした反論はあるだろうが、現状が上手くいっていないのならば、それに手を加えないわけにはいかない。後者にある「自立のため」といった大義名分は、これまでの公共事業を見ても分かるように大して機能していないのが証明されている(事業仕分けで×をくらった「若者自律塾」など)

 また被災地に残って、生活を続けたい人や支援活動などを行う人にとってもBIは大きな手助けになる。最悪職がなくても、その場に留まって必要最低限の生活ができるからだ。

 財源の問題など、実現するうえでいくつかのハードルがあるが、公共事業や公共施設の大幅カット、現行の社会保障の大幅廃止、公務員・代議士の人数削減、消費税増税、所得税の税率固定化など、「小さな政府」を目指した政策を進めていけば、かなり財政は上がるだろう(かなり無理難題かもしれないが、徐々に減らしていけば、BIに舞わせる財政も増える)。


 被災地では「復旧」ではなく「復興」という言葉が使われている。「元に戻す」のではなく、「新しいものに変える」という意味でつかわれているそうだ。震災後、「日本は新しく生まれ変わる」と唄った類のキャッチコピーが世間で流れている。この流れに乗るならば、BIを含めたセーフティネットでも同じことを唄ってもいいだろう。セーフティネットの話になると、日本では「甘えだ!」「根性無し!」といった根性論(精神論)で片づけられて、問題になりにくい。これでは解決できるものも解決しない。

 セーフティネットもこの流れに乗り、変化をするべきだろう。無論、その変化には私たち一人一人の意識や責任がなければならない。それらがあれば実現できる可能性は少しでも高まるはずだ。その時こそ、社会の変革で私たちが大きく前進する時である。


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コメント

No title

おっしゃるように、精神論の世界をぶち壊さなければなりません。
ですが、そのためには時に、社会的もしくは物理的な迫害を覚悟しなければなりません。

No title

>>あむさん
こんばんは~、コメントありがとうございます。

>、社会的もしくは物理的な迫害を覚悟しなければなりません
精神論で支持されている社会は壊した方が良いですが、やろうとすると、それを支持している人々からの反発(反抗)が確かにひどそう…。
お互いに「自由にやるよ!」と割り切ってできればマシになるかもしれませんが、一方的に「××しなければダメだ!」と強制されるのは、居心地が悪い。
BIを含め、「今叫ばれていることを実行すれば、いかに得をするか」を万人が実感できれば、一番共感しやすくなると思うのですが…。
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