福満しげゆきさんの漫画が面白い

 先月、以前からやりたかったゲームソフトを貸してくれた友人が、一緒にある漫画を貸してくれました。福満しげゆきさんの漫画『福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ』。

福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ (ファミ通クリアコミックス)福満しげゆきのほのぼのゲームエッセイマンガ (ファミ通クリアコミックス)
(2012/12/27)
福満しげゆき

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 本書で書かれている内容が、大変興味深かったので、今回はそれについて書いていきます。本の紹介というと、普段当ブログでは「読書」のカテゴリで紹介するのですが、あまり実用的でないし、完璧にゲームという趣味の範疇の本なので、「ゲーム」のカテゴリとして紹介します。


 本書は、『週刊ファミ通』に2009年以降から連載している彼の4コマ漫画を、書きおろしコメントも加えて、書籍化したもの。

 4コマ漫画の内容は、著者である福満さん自身が主人公とし、ゲームに関する主義主張や、それに関する彼のエピソードなどをほのぼのと描きつづっています。話題となっているゲームのネタは、プレイヤー(ユーザー)なら「あるある!」と思わずうなずいてしまいそうな内容や、福満さん自身が「こんなことをしているのは僕だけでしょうか…?」といった彼の苦悩や自虐をつづった内容、新作ゲームソフトやハードに対する彼の論評など、さまざま。

 その中で、私が個人的に気になったものをいくつか紹介。肝心の漫画は、著作権の都合で載せられないので、読者の皆さんには申し訳ないが、私の説明で勘弁していただきたい。書き下ろしコメントの方は、普通に引用していきます。


【僕にはゲームしか】

 福満さんは、ゲーム以外の物事(野球やサッカーなど)に全然興味がないらしく、外に出ても何もすることなく帰るといいます。そんな彼は言います、「僕にはゲームしかないんです!!」と。

当時はオタク的なものが偏見を受ける時代でしたし、高校生になったらゲームはやらないよね、といったスカした世の中でしたね。プレイステーションが登場するまで、そんな時代が続いていました。みんな何をしているんだろう、何が楽しくて生きているんだろうと、疑問に思っていましたね。実家にいたころも、犬の散歩するしかなかったです。後はゲームですよ。


 これは同感。私も野球とかサッカーとか世間で騒がれている物事はあまり興味がないので。「ゲームしかない!」とまでは言わないけど、私も「娯楽にゲームがないのは寂しい」と感じるタチなので。

 私も周りの同年代に「なんでゲームやらなくなったん?」と聴いて回ったことがあるけど、たいてい上手く答えられなかった人がほとんど。自分の趣味を他者に押し付けるなどの傲慢なことを言うつもりはないけど、テレビゲームに馴染んでいる人が多い自分たちの世代で、「ゲームやっていない」と聴くと、福満さんと同じ疑問を感じてしまう。

 福満さんの世代では、「高校生くらいになったらゲームは卒業」という雰囲気があったらしく、福満さんが高校生の頃は周りでゲームをやっている方はほとんどいなかったそうです。

 私の高校時代も思い返してみると、何かしらゲームをやっている人はそれなりにいたけれども、多くのソフトをガンガンプレイしているのは私と当時の友人くらいでした。後の人は『ファイナルファンタジー』や『龍が如く』などの超話題作くらいしかやってませんでしたね。プレイする人はいても、ガンガンやっている人はいなかった。


【時間を忘れてやりたい】

 福満さん含め、ゲームに馴染みのある30代~40代の世代は、ゲームを買ってもプレイを始めるまで腰が重かったり、やらずじまいだったりするといいます。彼らは仕事が忙しい関係で、始めようにも始められないというのが本音らしいです。

かくいう、私も勤め人として働いていた時はなかなか始められなかった。ファミコン世代の従兄弟(現在はとっくに社会人)も、PS3を買ったけど、あまり遊んでいないとか…。

 そうなると「買わなければいいでは?」とつっこまれるのですが、「どっぷりと、時間を忘れて、ゲームを楽しんでいた少年時代のようにやりたい!」と福満さんは語ります。

あるとき気付いたんです。ゲームかどうこうじゃなくて、僕ら30歳代や40歳代の問題なんじゃないだろうか。ゲームかものすごく盛り上がっていた時期に育っているから、ゲームがあるのが当たり前だし、ゲームが進化していくことも当たり前に感じています。でも、もしかしたら、そうじゃないのでは思ってしまったのです。ゲームに取ってかわるものが現れたとたん、ゲームがなくなってしまうのではと。そんな不安を抱いてしまったんです。



 私もゲームをやる時は、時間を忘れるくらいどっぷりやりたい。福満さんは別のページで、「据え置きハードのゲームは、仕事で忙しい社会人はじっくりプレイできないから、お手軽にプレイできるアプリゲームに人が流れてしまうのではないか」という主旨の発言もしていました。これは同感。確かにゲームの内容自体が、プレイヤーの時間の都合に合わせられず、プレイに精を出すことが難しくなっていることは私も感じます。


【進化を見守る】

 福満さんのゲームに対するスタンスが描かれているページがあります。

 彼は過去に読んだ『こち亀』の何巻かに書いてあった「進化していくゲームを見続けられるので長生きしたい。楽しいじゃないか」という感じのセリフに非常に感銘を受けたのだそうです。そこで福満さんは「人はそのためだけに生きたっていいじゃないか」と思い、「生きよう。生きるのつらいけど、ゲームの未来を見守るために…」と。

 「大人の態度でゲームなんか卒業しちゃいたい気分に襲われても、ゲームの進化だけは見守り続けたい!」というスタンスを取ることを決意したそうです。

 これを読んだ時、以前テレビで紹介されていた外国の話で、嵐の海から生還した男性が「ワールドカップを観たいから」という気持ちで九死に一生を得た男性の話を思い出ししました。

 傍から見たら、世間一般の大義名分とはあまり縁がないスタンスと言えますが、ゲームなどの娯楽で「人生の生き方や見方が変われる」ということに魅力を感じるスタンス。ファミコン時代からゲーマーである福満さんだからこそ、考え出した答えではないでしょうか。私もゲームが好きな人間の一人なので、「こうした気持ちで、自分の人生とゲームに関わりが持てるのはいいなあ」と思った。


 ゲームが好きな方なら読んでみて、「これ、あるある!」と思わずうなづいてしまうものもあるので、オススメの一冊。皆さんもぜひ手に取ってみてほしい。

 ただ、本書で描かれている福満さんはちょっとネガティブな性格や雰囲気を持つ方なので、人によってはそこで気分がブルーになるかもしれないので、ご注意を。



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