『てんてんの大丈夫、きっとうまくいく。』

てんてんの大丈夫、きっとうまくいく。てんてんの大丈夫、きっとうまくいく。
(2009/12/13)
細川 貂々

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 ベストセラー『ツレがうつになりまして。』でおなじみの細川貂々さんが描いたコミックエッセイ。ブックオフにて、たまたま105円で売られていたものを、興味本位で購入。


 著者である細川さんが、「やりたいことが見つからない」「うまく人と合わせられない」といった人生の悩みや迷いについて、そんな人生を送り、どのように克服したのかを赤裸々に描いたコミックエッセイ。

 本書では、彼女の人生の道のりを「十牛禅図」という10枚の絵に照らし合わせながら、描いています。これは中国の宋の時代に描かれたもので、禅宗のお坊さんが修行の中で悟りを開いていく段階を「牛を探す人」にたとえたマニュアルのようなもの(Wikipediaに十牛禅図の絵が掲載されているので、そちらを参照)。

 ツレさんの解説によると、牛というのは昔農作業などで役立つ「道具」かつ「財産」でもあるものの、一つの生きものとして荒々しく制御できない存在でもあるといいます。その二面性を持つ「牛」の姿を借りて、本来持っている自分の「心」の姿を表現しているのではないか、といいます。

 本書は、人生を良くするための明確なハウツーや法則などは、基本的に書いていません。「十牛禅図」に照らし合わせて描かれた細川さんの人生の道のりを読んでみて、自分自身(読者)の悩みや迷いの中での新しい一歩を踏み出すためのヒントを、読者自身が考えて見つけていくというスタンスとなっています。


 では、本書の内容の大部分を占める、細川さんの人生の道のりを紹介。

 細川さんは、子ども時代の「まわりの人と同じようにできない」というネガティブな経験から、「どうせ何やっても、うまくいくはずがない!」という強いマイナス思考になってしまったそうです。高校進学や就職ができたものの、なじめず、苦悶の日々だったそうです。「まんが家になりたい!」という希望で入学した専門学校でも、なかなかうまくいかず。

 そうした中で同じ専門学校生だったツレさんと出会い、彼の励まし・応援のもと、まんが家になる決意を固めます。その後お二人は結婚し、細川さんはまんが家としてスタートしますが、仕事がうまくいかず。ツレさんは、根がマイナス思考の彼女(通称:マイナス思考クイーン)を何とか叱責し、彼女の作品を世に出します。

 その後もうまくいったりいかなかったりの繰り返しで、暗中模索の日々を送る中、ツレさんが会社のストレスで「うつ病」に。自分のネガティブな言動が、ツレさんがやっているのを見て、初めて分かった自分の未熟さ。ツレさんの励まし・応援がなくとも、自力でやっていけるようになることを彼女は決意。

 マイナス思考に振り回されないよう物事を楽しむ努力をすべく、「大丈夫!」といったポジティブな言葉を口癖にし、それを自分自身に言いきかせていく。マイナス思考クイーンの自分とも、無理に変えようとせず、ポジティブになろうとしている自分とうまく付き合っていく。

 その結果、彼女の思考はポジティブなものになり、自身が描いた作品もベストセラーになりました。生活も安定し、ツレさんの病気も改善していきました。ツレさんは解説にて、彼女が手に入れた現在の生活の道のりにおいて、お二人がいろいろなことを考えて、新しい時代のモノサシ(生き方・価値観)にたどり着くヒントを探してみたとのこと。そのヒントが「十牛禅図」だったといいます。


 読み終えた感想ですが、「読んで良かった」と感じる良書でした。

 読んでいく中で、「こういう悪いところは、自分にもあるんだよな…」「細川さんのこのマイナス思考はまさに自分だ!」と思えるほど、自分に当てはまるところが多かったです。かくいう私もネガティブな思考になりやすい人間なので、細川さんの苦悶には共感するところや、自分に当てはまるネガティブ要素がグサリと的中していました。

 何度か読み返していくうちに、細川さんのポジティブな振る舞い方や彼女自身の赤裸々な生活状況を参考に、「自分でも何かポジティブな気分やエネルギーを出せるようにできないか」と考え、少しずつやるようにしました。本書だけでなく、共育学舎で学んだ人生メモや他の読んだ本も参考にしながら、少しずつではありますがやっています。

 人生のことで悩みや迷いがある方にぜひオススメです。堅苦しい内容ではないので、息抜き感覚でサラリと読めます。


細川貂々さんの公式サイト「とかげのしっぽ」


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