とある方からのコメントへの回答

 数日前に、当ブログにある方から非公開のコメントが来ました。そのコメントが大変興味深い質問が書かれた内容だったので、今回はそれへの回答も兼ねて記事を書きます。

 まずは、コメントの内容から(一部引用・編集)。

就農先が決まって安堵している所失礼します。
自分なりの生き方を模索している最中の者です。
幾つかの疑問に思った事があったので、何点か質問させてください。

・法人に就農されるとの事ですが、栽培される主作物は何になりますでしょうか?
・茨城県を就農先に選定した、主たる理由は何でしょうか? 又、茨城県は全国8位の農業王国です。当然農地の取得も困難を極める事と思いますが、その点についての秘策はあるのでしょうか?
・今後、農業を従事していく事と考えますが、これからのプラン・ロードマップをどのように考えていますでしょうか?
ちなみに胡瓜は農薬を定期的に撒くので、農薬怖い怖いと言いながら栽培することになります。
トマトは朝早く眠い眠いと言いながら摘果し市場に出荷します。
何をするにしてもリスクと隣り合わせの作物ばかりです。そういった状況の中で何を栽培し、今後どういったプランを練り生計を立てようとしているのか興味を持った次第です。



 以上がコメントの主な内容です。上記の質問について、いろいろ思ったり考えたりすることはあるのですが、一つ一つ回答していきます。

1.法人に就農されるとの事ですが、栽培される主作物は何になりますでしょうか?

 栽培しているメインの農作物は、ナス(長ナス)・白菜・ネギ・レタス・キャベツです。この5品目は、青果市場へ出荷しています。

 上記5品目以外にも、インゲン・キュウリ・トマト・ミニトマト・ジャガイモ・トウモロコシなども栽培しています。これらは、現法人の系列で運営している飲食施設に配送したり、地元にある道の駅へ出荷したりしています。


2.茨城県を就農先に選定した、主たる理由は何でしょうか?

 これは「茨城県だから」という特に深い理由はありません。

 就農先として現法人を理由として、まず実家がある関東圏であること。私は精神疾患持ちということもあり、かかりつけのお医者さんに寄らなければならないため、北海道や九州などそう遠い所へは長期的に行けません。なので、就農先は実家のある東京から比較的近い関東圏に絞りました。現法人は、関東圏で絞った求人から選び出したうちの1件なのです(法人選びについては、それ以外にも理由はありますが)。


3.農地取得についての秘策

 農地取得は新規就農者にとって頭が痛む問題ですが、それについての秘策があるかないかと聴かれると、「ない」です。というか、現時点ではそれしか答えられません。

 これは、私が和歌山県のNPO共育学舎の代表三枝さんからいろいろ教わりました。田舎における農地の取得というのは、都市部での土地売買のようにはなかなかいきません。都市部では、高額なお金をポンと出せば土地取得がそれなりに可能です。

 しかし、田舎での土地取得ではお金ではなく、その土地での地元住民との信用の方が大事になってきます。ニートのphaさんやひきこもり名人の勝山実さんが、自身のブログで「田舎では安く不動産(土地や空き家)が借りられる」といった話が出てきました。確かに格安で田舎では不動産が手に入るというのは、和歌山ではよく聴いていましたが、これらの話で出てこなかったのは、お金よりも信用のことです。

 どんなに安く不動産が手に入るとしても、どこの誰かも分からないよそ者に、不動産を貸してくれる地元住民はなかなかいません。共育学舎の三枝さんも地元住民から田畑を無償で借りていますが、それも長い期間和歌山県の土地に住んで、地元住民から信用を得られたからこそ土地を貸してもらえたと言います。

 巷には新規就農者向けの短期間の研修制度もありますが、これを終えても農地が取得できなくて、結果的に就農できないというケースも一部あるそうです。新規就農に関する書籍などでよく「初心者は、まず農業法人で就農しよう」とあるのは、「最初から独立するのはリスクが高いから、ますは農業法人で働きながら農業技術を学び、独立資金も稼いでからやるのが妥当」ということを書いているのです。

 そう考えると、簡単に農地取得はできませんし、よそ者で農業新米の自分に秘策などあるわけもないのです。


4.今後、農業を従事していく事と考えますが、これからのプラン・ロードマップをどのように考えていますでしょうか?

 「~年後に○○をやって、~年後に△△をやって…」というような具体的なプランはまだできていません。コメントをいただいた方と同様に、私も「自分なりの生き方を模索している最中の者」の一人です。就農できたとはいえ、まだまだ分からないことや不安なことばかりなのが現状です。本当はそうしたことが決まっていると、取り組むべき物事がいろいろと出来てくるのでしょうが、まだまだ模索中。

 とりあえず、現時点で必要最低限決めていることをいくつか箇条書きに出してみました。後ほど、順を追って説明します。

1.現法人に定年まで勤めあげるつもりはない。
2.茨城県に定住しない。
3.とりあえず、アパート契約の2年分は働いてみる。



 まず1番について。現法人は今のところ、働き心地が悪いわけではないのですが、将来いろいろやってみたい自分には、いずれ独立という選択肢を選ぶことに変わりはありません。

 独立じゃなくても、精神疾患の悪化でどうしても働けなくなったという場合や、いくらか働いてみて「ここで農業をやっていくのはちょっとなあ…」と転職を考えた際の「逃げ道」の選択肢でもあります(後述の2番もこれに当てはまります)。

 2番ですが、私は茨城県で独立しようとは考えていません。これを聴くと「その土地でないと栽培できない農作物もあるのに、何を言ってるんだ!」と思われた方といると思います。

 先ほど話した研修制度は、研修終了後にその土地に移住し、研修で学んできた農業をそのまま続けるという就農プランが多いです。これだと、その土地へ移住(定住)することがハナっから前提なので、「農業を学びたいけど、いきなり移住はちょっと…」という人には、決めようにもなかなか決め難いところがあります(現に私がそうでした)。

 どこかで農地を取得するにも、その場所がどんな所なの分からないまま、決めてしまうのは個人的に早計過ぎる気がします。人づてを頼ったりして、様々な場所をまずは自分の足で確かめてから、「ここで農業をやろう!」と決めたいと考えています。そのためにも、茨城県にこだわる理由はないと考えています。

 3番ですが、私は前職をわずか5ヵ月で辞めてしまった身なので、今回も途中で辞めてしまうかどうか不安です。農業は時間をかけてじっくりと知識と経験を積む仕事なので、短期間で辞めてしまって、それらを身につけられなかったとなれば元も子もない…。

 そこで私は、現在住んでいるアパートが2年契約なのを機に、「まずはその2年分を消化できるように働いていこう!」と決めました。世間では「キャリアアップのために~年」といった言い方がされたりしますが、個人的にこれだと目的が抽象的に感じるので、本当にこなせるかどうかが疑問に感じました。抽象的な物事よりも、身近で具体的な物事から自分が数年間働けるように考えました。


 以上が、今回いただいたコメントに対する私の回答です。今回コメントいただいた方は、おそらく就農に興味があるのだと思いますが、本稿を読んで下さったその他の読者の方にも参考になっていただければ幸いです。


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