続・とある方からのコメントへの回答

 数日前に、当ブログにある方から非公開のコメントが来た。そのコメントを投稿した方は以前、私の就農についていくつか質問してきた方と同一人物である(詳しくはこちら)。

 この方は「自分なりの生き方を模索している最中の者」ということだが、就農に興味がある様子。今回私の方から「(就農に関する)具体的な行動は何かされているんですか?」という質問を投げかけてみた。後々、その質問の回答に、更なるコメントが付いてきた。

 その内容が大変興味深かったので、今回はそれへの回答も兼ねて記事を書いていく。まずは、肝心のコメントの内容から。今回は原文・全文をそのまま引用している。

今はまだ情報収集をしている段階ですが、ある程度の方向性は決まっているので、後は実行に移すだけと言った所です。

現在、茨城で研修しているとの事ですが、将来就農するとなると研修先となっている茨城で就農するのが一般的ですよね。
新規就農者の場合、農地を借りるのに、長い時間をかけて近隣の農家の人と信頼関係を築かないといけない訳ですから、2年の研修が終わった後に、"やっぱり長野で就農するわ"と言って簡単に長野で農地を借りる事は出来ませんよね。
当然、関東と中部での農法も違えば標高や気候も違います。これも状況をより難しくさせている原因ですね。

ですが、そこは農業に恵まれた農業大国茨城です。
利益が出る農地も先5年の間に、空きが出てくる事と予想されます。
今からめぼしい農地を見つけて、県の就農相談センターか農協長に相談に行った方が良いかもですね。
ちなみに、茨城の場合は旭・鉾田・大洋・北浦 波崎 八千代
この辺を中心に儲かる農地が転がっているようです。
ですが、世代交代が進んでいるようで、中々空きが出ないような事も県の人が仰っていました。それと、茨城の北側は儲からない土地みたいなので県の人から進められたら断わった方が良いかもYo!



 さて今回のコメントだが、失礼なことを承知で書くと、文章を読み終えた際に「この人は、机上の空論でしか物事を語ってないな」と正直感じてしまった。

 当人がまだ情報収集の段階で農業の実践をしていない、というのも一理あるが、問題だったのは、コメントの大半を占める私への茨城県への就農への勧めだ。

 確かに私は茨城県内にある農業法人で就農した。しかし、だからといって、茨城県で農業をやろうとはまったく考えていない(何より私は研修生ではなく、単なる農業法人の一従業員だ)。

 以前この方からの質問でも答えたが、私が茨城県の現法人を選んだのは、実家に近いということが一理あるからだ。自分自身に精神疾患がある以上、そう遠くで農業することはできない。実家にある程度近く、東京でかかりつけのお医者さんにも何とか行ける範囲での距離を選んだ結果、現法人を選んだのだ。茨城県だからという特別な理由はない。

 それにこの方は、茨城県が全国8位の農業大国であることをしきりに押してくるが、それが農業従事者にとって必ずしも魅力的な話になるわけではない

 確かに茨城県はさまざまな農作物を栽培していて、かなり農業に適した土地である。しかし、私は今いる茨城県にはっきり言って定住するつもりはない。その土地の景観や雰囲気が好きになれないというのが大きな理由だ。とりあえず自分自身の一時的な経験の場として来ているのであって、そこで農業の何もかもをつぎ込むような場所ではない。

 私の勤め先の農業法人で働いているMさん(仮名)も同じ考えだ。彼は千葉県出身であり、茨城県には自身の独立の修行のため来ている。いずれ時期が来たら、彼は実家がある千葉県で農業をやりたいという。

 新規就農者がどこで農業を始めるかは人それぞれだろう。私が茨城県で本気で就農しようと考えるのであれば、最初から定住込みの就農研修制度をとっくのとうに利用している。たとえ農地に適した土地が多い地域でも、その地域を好きになれなければ、農業はやってられない。どんなに就農を希望しても、定住するとなると、単に「農業に適した土地」以外の要素も考慮せざるをえない。私が定住込みの就農研修制度を利用しなかったのは、このためだ。

 これは、私が和歌山県新宮市の共育学舎で農業をやらせてもらって、実感したことだ。共育学舎代表の三枝さんは新宮市の熊野が好きだからこそ、そこで農業をやりつつ、他者を受け入れる活動をするし、地元のこともいろいろと考えて行動する。

 それに私が今後の農業のことで方向転換したり、新しい物事を取り入れようと考えた際には、必ずそれを自分の足で確かめるつもりだ。私は就農に当たって、共育学舎の「いなか研修生」に参加したり、気になった求人を出している農業法人に見学に行った。それをやろうとしたのは、私が「いなか研修生」に参加する前に代表の三枝さんが教えて下さった言葉からなる。

 就農に関心があるようですが、色々な考え方があり、色々な農業のやり方は有ると思います。大規模な専業なのか、小規模の兼業なのか。いずれ にしましても農業に関する情報は一面的ですくないと思います。自分の足で確認したらいいと思います。



 私は農地探しも、まずは自分の足で探したい。それには茨城県だけにこだわろうとせず、他県の土地も十分に見てから決めていきたいと考えている。これはナリワイの伊藤洋志さんやニートのphaさんが提唱していることで、選択肢が多くあった方が今後の自分のやることに絶対的に優位だからだ。

 農業をやる場所を初めから茨城県だけと決めつけては、かなり動きづらいだろうし、何より面白くない。全国さまざまな土地を調べつつ、強く気になったらその土地まで実際に足を運ぶ。この方が五感をフルに使って探すのだから、文面上の情報よりもはるかに情報の質が違う。

 土地の取得はそこからでも十分ではないかと考えている。今先走ったところで、技術がなければ土地があっても無意味だ。


 以上、コメントの方には少々失礼なことを書いてきたが、最後に一つ。農業は基本的にトライ&エラー(試行錯誤)を繰り返して行うものだという。これは東京しごとセンターで親しい講師の方から教わった話だ。つまるところ実践あるのみということだ。

 私はニートだった期間を利用して、農業のことを調べてみたが、最終的には「なるようなる」と信じて、現在の農業法人に就職した。結果、いろいろと農業のことを学ばせてもらっている。やってみて分かったこともかなり多い。たとえ現在勤めている農業法人が何らかの理由(倒産や解雇など)で勤められなくなっても、私はどこかの場所でまた農業をやるだろう。

 たびたび失礼ながら、今回コメントを残した方に言いたいのは「そんだけ十分リサーチしたんだから、さっさと動いたらどうだ!」ということ。農業は所詮自分でやってみなきゃ分からない世界なんだから、いくらリサーチしてあれこれ問い詰めたところで分かるはずもないのだ(私は茨城県が全国8位の農業大国であることすら知らなかった)。

 コメントした方がこの記事を読んでどう思うか。そもそもこの記事を読むかどうか。それはわからない。しかし、私は黙々と農業をやり続けていくだろう。気になることがあれば、自分の足で確かめに行くだろう。自分が求めるもののために。


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