『脱社畜の働き方』

脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法
(2013/09/07)
日野 瑛太郎

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 『脱社畜ブログ』の管理人である日野瑛太郎さん(ハンドルネーム:電脳くらげさん)が書いた本。副題は「会社に支配されない34の思考法」。著者本人も自身のブログで、本書を紹介しています(詳しくはこちら)。

 私自身、日野さんの意見や考え方については元々ブログを読んでいるので、いくらかは知っていました。ですが、本書の内容の多くは、ブログで書かれたことのまとめではなく書きおろしということもあり、「読書で日野さんの考え方・価値観を深く知りたい」と思い、購入。さっそく読んでみました。


 「脱社畜」という言葉通り、本書は社会に横行している労働観や人生観(長時間労働や、忍耐ばかり求められる働き方など)について真っ向から批判・反対の指摘。それらに自分の人生を支配されないようにするための考え方・働き方・生き方について、書かれています。

 著者の日野さんは、自身の大学時代から「働きたくない」という強い考えがあったと言います。その考えから自身の経験や価値観をもとに、脱社畜ブログを開設し、現代の日本社会にはびこっている悪質で不条理な価値観や考え方を批判し、それらに支配されないようにする対策や考え方などの記事を書いてきました。

 では、本書の内容について一部紹介します。

 「仕事を通して成長する」といった「成長」という言葉。この「成長」について、日野さんは以下のように指摘します。

■その成長は何のため?

(中略)
 成長というのは、基本的に手段であるはずだ。例えば、大学に受かりたいと思ったとする。でも、そのためには学力が足りない。だから、一生懸命勉強して、それこそ「成長」して、大学に受かるだけの学力を手に入れる。こんなふうに、最初に何か成し遂げたいと思っていることがあって、それを成し遂げるための能力が今足りないから、「成長したい」という話になるのが順序的には自然なはずである。
 (中略)
 逆に、「成長」をことさら強調しなければならないというのは、もしかしたらやるべきことが決まっていないからなのかもしれない。自分がなりたいものは具体的には決まっていないが、それでも何者かにはなりたいと思っている。今の自分には決して満足していないという焦りが、そういう人たちを「成長」に仮立たせるのではないだろうか。なんだか目的地がわからないのに、ひたすら都内の地下鉄を乗り継ぎまくっているような、そんな感じがして、これは傍から見ているとものすごく不安になる。
 「成長したい」と思っている人は、成長の結果どこにたどり着こうとしているのかを一度しっかり考えてみてはどうだろうか。目的を定めずに、ただ成長、成長とだけ言っていても、それではいつまでたっても成長することはできないと思う。
 (中略)

社畜の思考法⇒「成長」すること、それ自体が目的。
脱社畜の思考法目的達成のために、手段として「成長」する。



 上記の内容については、私も同感。私の場合、他人を必要以上に働かせる理由として「成長」をことさらに挙げる不届きな輩がいました。社畜化のために、「成長」という言葉が使われているのは事実でしょう。

 脱社畜の思考法については上記のように、各単元について開設した後に、「社畜の思考法・脱社畜の思考法」の2つに分けて、一言で分かりやすくまとめています。

 上記の内容以外にも、以下のような考え方もありました。

■もっと環境のせいにしよう

 仕事がうまくいかず、同僚と良好な関係を築けないことを全部自分の能力のせいだと思ってしまう人がいるけど、これはあまり正しくない。人には当然向き不向きがあるので、たまたま自分の適性と合わない仕事内容だったら当然うまくは働けないだろうし、人間関係にだって相性というものがある。すべて自分が悪い、ということは基本的にはない。
 「何でも他人のせいにする人」はダメな人だと言われることが多いけど、会社における仕事に関して言えば、自分のコントロールが及ぶ事項は少ないのだから、もっと環境や他人のせいにしてもいいと思う。
 (中略)
 何かが起こった時に、それを全部自分のせいだ、と思って自分を責めるのは、やめたほうがいい。
 (中略)

社畜の思考法⇒うまく働けないのは、自分のせい。
脱社畜の思考法うまく働けないのは、環境のせい。



 上記の考え方については個人的に驚きました。この手の本では自己責任という概念が書かれることが多いので、それをあえて取りあげず、「自分自身よりも周囲の環境について疑う」ことを提唱する考え方は意外でした。私は自己責任について賛同しつつも実現が難しく感じることがあったので、「これからはこの考え方も取り入れていこうかな…」と考えています。

 思考法以外にも、仕事を早く切り上げて帰宅できるようにするための具体的な仕事方法や、副業感覚で会社に依存しなくてもいいような収入獲得を提唱する「プライベートプロジェクト」などについても書かれています。かなり具体的に書かれていたり、参考になる書籍やサイトも紹介されているので、これから具体的に取り組もうとする時にはとても参考になりそう。


 読み終えた感想ですが、とても素晴らしい本でした。

 ブログ上ではまだ知らなかった日野さんの考え方や価値観、彼自身のことについても書かれていて、それらを深く知ることができました。思考法や仕事方法なども、具体的に書かれているので分かりやすく、すぐに取り組めそうなものも多かったです。

 日野さんは不労所得が得られるネット上のサイトやサービスを考案・開発したり、自分で起業してソーシャルゲームの開発・運営をした経験があるなど、異色の経歴の持ち主(!)です。彼は自分の事業をたたんだ後は、一般企業に就職しましたが、雇われ身分の労働が合わず、その生き方・働き方に強い疑問があったと語っています(現在は退職)。この経歴をみると、かなりアグレッシブな性格の持ち主だと感じました。

 社畜になりたくない方、日本の労働環境に疑問・嫌悪を抱いている方にオススメです。


脱社畜ブログ


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