期限なんて決めない方が物事は長続きする!?

 以前、3年以内に離職してしまう人に「渡り人」という名称をつけようという主旨の記事を書いた。だが、人によっては「就職にしろ何にしろ、物事は長続きした方がいい」と言う方もいるはず。この言葉について、個人的に思うことがあるので、今回はそのことを書いていく。


 物事を続ける考え方や行動方法は、いろいろあるだろう。ここでは仮に就職を続けたい物事として、考えることにする。

 皆さん大抵は「まずは、2年間は働いてみよう」とか、考えるだろう。だが、これが意外に実行できない方も多いはず(現に私がそうだった)。

 成しえなかった理由は別として、こうした物事を考えた際に当てはまるのは、最初に物事の(最低限の)期限を決めていることだ。そして、それを公言していることだ。以前当ブログでも取り上げた『「続ける」技術』でも、有限実行を実現するために、それを周りに公言することをハウツーとして書かれてた。ハウツーに従うにしろ何にしろ、何かしら公言はしているはず。

 では、ここで一歩立ち止まって、物事を続けられている人々をみてみよう。皆それぞれ続けられている理由はさまざまあるが、その中でも最も興味深い人々がある。

 それは、最初から大して気張らずに取り組んでいる人だ。このことをよく表している具体的なエピソードがある。

 以前私が勤めていた農業法人の同僚であるMさん(仮名)は、過去に坊さんになろうと、修行生活を送っていた経験がある。Mさんは2年ぐらい滞在していたが、修行者の中で一番の古株になっていた。

 Mさんは、最初から「2年居よう!」と決めていたわけではない。修行生活を淡々と過ごすうちに2年が経っていた、ということだった。そんなMさんに続いて、後から修行希望者も何人か来たが、彼らはMさんほど長くは居なかったという。

 ここで興味深かったのは、その中の人で「3年は居ます!」と公言した人が、わずか3日でギブアップしてしまった、ということがあったという。この話から、Mさんは「初めから期限を決めてやるより、気張らずに取り組んだ方が(結果的に)長続きする」と私に語っていた。

 Mさんは最初から気張らずに、修行生活に取り組んだことで物事が長続きした。ここから、次のことが言える。

 「(最低限の)期限を決めずとも、大して気張らずに物事に取り組めば、結果的に長続きできるのではないか」

 と。これはある意味「押してダメなら、引いてみる」の考え方だ。「ある方向性でやったらダメだったので、それの逆をやってみたら上手くいった」という逆説的な考え方の典型的な事例だ。これは森博嗣さんの『「やりがいのある仕事」という幻想』でも、同じようなことが書かれている。

 辞めてしまう人は、もともとは長く勤めるつもりで就職先を選んでいる。長くそこで働きたいと思っているからこそ、ちょっとしたギャップを見過ごせないのだ。
 (中略)
 また、「長くここにいなければならない」という心理が、逆に、「もっと自分に適したところへ早めに移った方が良い」と決断させるのである。



 こうした話を交えると、「期限を決めずにとりあえずやってみる」というやり方もありだと思う。


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