『パラサイト・イヴ2』レビュー

パラサイト・イヴ2パラサイト・イヴ2
(1999/12/16)
PlayStation

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 数ヵ月前にブックオフで中古500円で購入した『パラサイト・イヴ2(以下:PE2)』を、今月にやり始めてようやくクリアした。今回はそのPE2のレビューを書いていく。

【概要】

 PE2は1998年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)から発売されたアドベンチャーゲーム。1997年に発売された『パラサイト・イヴ』の続編である。

前作のジャンルはRPG(正確にはアクションRPG)だったが、今作のジャンルは「シネマティック・アドベンチャー」という公式の紹介にもあるように、RPGよりもアドベンチャーとしての要素が強くなっている(といってもRPGの要素がないわけではない)。

 ストーリーは前作で描かれた事件から3年後を描いている。同名の小説で描かれているミトコンドリアの異変をテーマに、主人公であるFBI捜査官のアヤ・ブレアが作中で起きた事件を調査しつつ、真実を徐々に突きとめていくというもの。

 後ほどレビューで詳しく触れるが、今作はアドベンチャーとしての要素が強くなった関係で、前作とはゲーム性が大きく変化している。バイオハザードシリーズでおなじみのラジコン操作(前進・後退・右折・左折によってキャラを操作する方式)が取り入れられ、戦闘はリアルタイムで攻撃・回避を行うようになった。また、ストーリーは特定の条件を満たすことで変化するマルチエンディングとなっており、周回プレイを前提としたクリア特典・やり込み要素が用意されている。

 前作に比べて、今作の売り上げは良くなかったこともあり、中古でも今作を見かけることは少なかったが、2010年からゲームアーカイブスにて600円でダウンロード購入が可能になったため、現在は手軽に入手できる。(私の周りでの話ではあるが)1.ここ最近はブックオフで中古でも今作を売られているのを見かけることが多くなったので、中古で製品版が欲しい人でも購入できる機会はあるだろう。


【レビュー】

[バイオハザードとの類似点とそこからくる不満点]
 やたらとバイオハザードシリーズ(以下:BH)と比べられることが多い今作だが、これにはいろいろと理由がある。大きくまとめるなら、以下のようになる。

1.ストーリーの世界観や設定が似ている。
2.操作性が似ている。



 1番にある「ストーリーの世界観や設定が似ている」のは、今作のいろいろな要素から分かる。

 舞台となるステージでは、ストーリーの序盤は大都市ロサンゼルスにあるビルで繰り広げられる。ロサンゼルスの夜景を背景にビル内で戦う様子は、前作のニューヨークの夜景を背景にビル内で戦う様子を連想させる。といってもロサンゼルスでの活躍は序盤だけで、ストーリーが進むとアメリカの砂漠地帯にある田舎の集落に舞台と移し、さらに進むと近未来的な雰囲気漂う研究施設を訪れることになる。後者の砂漠地帯の集落と研究施設は、BHでも登場したラクーンシティや研究所を連想させる(ラクーンシティは都市ではあるが、どちらかというと地方都市のような部類に入る)。特に研究施設でクリーチャーと戦ったり、資料やパソコンを操作する場面を見ると、どうしてもBHをイメージしてしまう。

 また、出てくるクリーチャーも前作ではネズミなどのごく自然な動物・生物をモデルとしたデザインだったのに対し、今作のクリーチャーは人間の面影を残したデザインとなっている。こうしたところもBHらしく感じる。

 2番の操作性については、BH経験者ならほとんどの人が「BHに似ている!」と感じる人が多いだろう。前述のラジコン操作に加え、オートロックで攻撃しつつリアルタイムで行う戦闘(前作はATBによるターン制を合わしたシステムだった)、アイテムボックスの収納で所持アイテムの管理などなど。こうしたところを見るとBHに似ているところは多々ある。

 BHとの類似点を述べてきたが、類似点があるからといって、それが悪いとは決して言い切れない。ゲーム作品におけるオリジナルティについての議論はここでは控えるが、否応なしに類似点が出てしまうということは、「○○と比べて、今作の××は不便だな…」という不満点が出ることにつながりやすい。

 先ほどの操作性で言えば、今作と同年に発売された『バイオハザード3 ラストエスケープ』で実装されたクイックターン(即座に180度振り向く動作)が、今作にはない。また、アイテムボックスはBHのそれとは違い、収納されたものの共有ができないために、欲しいアイテムを収納したボックスまで取りに行かなくてはいけないという手間が出てしまう。

 類似点の良し悪しについては個人差があるものの、「似てるなら、この要素についてはせめて同じものにしてほしかった」と思えるところが出てしまうことがある。今作はまさにその典型例となってしまっている。

[痛いところに手が届かないシステムまわり]
 先ほどの操作性を含めたシステムまわりについては、痛いところに手が届かない不満点がいくらかある。

 ボス戦では連戦が多いのだが、ゲームオーバーになるともちろん最初から戦闘になるため、リトライが続くと気分が萎えやすい。ボス戦の中にはうまく立ち回らないと即死することも多いので、気を抜けない戦いが続く。チェックポイント制にして、リトライ時の負担を軽減できる仕様にしてほしかったところ。

 またアイテム所持数も少なく、せっかく入手したアイテムを泣く泣く捨てざるを得ないという状況も多々ある。余裕がある時でも、普段からアイテム管理をしっかり行っていないとすぐに困る状況になるのも痛いところである。

[十分評価できる今作の良さ]
 不満点などのネガティブなことばかり書いてきたが、今作が駄作かと言うと、決してそんなことはない。良い点はいろいろと素晴らしく、現在のアドベンチャー作品よりも優れているところも実に多い。

 サバイバル要素を売りにしたBHと違い、今作では特定の弾薬を無限に入手できるポイントがあり、敵をガンガン倒せる(とはいえ、気を抜いているとやられてしまうので油断は禁物)。武器の種類もそこそこあり、銃ごとのカスタマイズの幅も広いので、自分のプレイや敵の攻略に合わせて戦える戦略性もある。BPと呼ばれる通貨のようなものを使用して武器や弾薬、回復アイテムなどを購入できるのもありがたい。難易度が高い今作ではあるが、立ち回りをうまく操作し、攻略方法をうまく確立していけば、うまく進めることができる。

 ストーリーは多少王道的なところもあるが、ストーリーの展開はハラハラドキドキするものが多く、いくつかの伏線を引きながらも見事にそれを回収している世界観の設定も見ものである。主人公のアヤと今作に登場するとあるキャラとのイベントは心温まるものが多い。

 周回プレイを前提とした造りとなっているため、1周クリアするのに10時間もかからない。悪く言えば短いが、周回プレイを前提としているなら逆にちょうど良い長さである。また、周回時のモードで「リトライモード」というモードがあるが、これは敵の攻撃力が半減しており、PE(魔法のようなもの)を解放するのに必要な経験値も半減している。ストーリーを純粋に楽しむのにちょうど良い仕様となっている。


【総評】

 プレイ中は不満点のイライラからなかなか進まなかったが、いざエンディングを迎えてみれば「クリアできて良かった」と思える作品。前作をプレイしたことがあるのなら、今作もぜひプレイしてみてほしい。

「今作をプレイしてみたいけど自信が無い」という方は、周りに今作のクリアデータ持っている人がいたらデータをコピーしてもらい、それを使ってリトライモードでプレイすることをオススメする。


オリジナルティ:3
グラフィックス:4
サウンド:3
熱中度:2
満足度:3
快適さ:2
難易度:3

総合点:53


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