地方創生とは言うけれど…

 とあるブログの記事で興味深い記事を見つけた。まずはそれを読んでほしい。

なまけものみち「いなかニート論」

 この記事では、地方に若者が移住してくれるように住みやすい環境や体制を整えていくという「地方創世」という言葉のもとに、そこに来る若者や地方の活動意義などについて述べている。NPO共育学舎がやったクラウドファンディングプロジェクト共生舎で生活しているばなしーさんのことも取り上げられている。

 この記事で興味深かったのは、この「地方創生」という言葉の意味が見えてこないという文章だ。

 既存の価値にとらわれない住居選択――生きるところ、またはそこで何をしたいのか? という問い――が広がっていることはいいことだと思う。しかし一方で「地方創生」という言葉もあるのだが、ぼくにはこの言葉の持つ意味がよく見えてこない。

 もしかしたら、上に挙げた例たちは「地方創生」の枠組みで語られるものなのかもしれない。地方に若者が住みやすい環境を整えて、定着してもらう。「地方創生」がそういった意味で用いられるのであれば、これらの例はその先駆けとなるものだろう。しかしこの言葉はそれだけに留まらないらしい。なぜなら「人口減少」と「東京集中」両問題の共通解に地方再生(創生)というテーマが生み出されているからだ。これがこの言葉を曖昧模糊としたものにしているように思う。

 今現在、日本の総人口は1億2730万人だけれども、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計によるとこのまま人口が推移していけば2048年に1億人を割り、60年には約3割減の8674万人になってしまうという。そこで、人口減少を食い止めるため、打ち出された答えが東京一極集中をやめることらしいのだが、ぼくにはここのつながりがわからないのだ。

 地方創生。この言葉の発端となったものが、日本生産性本部の日本創成会議・人口 減少問題検討分科会(座長・増田寛也元総務相)による「消滅自治体リスト」及び提言「ストップ少子化・地方元気戦略」(ズラズラと目が滑る言葉が並ぶ)だ。増田氏はここで人口問題と東京一極集中問題を関連づけて発表したのである。



 個人的には、「地方創生」って「東京は人口ただで多いんだから、地方に人口よこせ!」って感じなのだろうと思う。特に若者不足は共育学舎がある熊野を含め、どこも同じ問題を抱えているから尚更だろう。地方の役人からすれば、「若者がガンガン働いてお金稼いで、税金をたっぷり納めてね」という魂胆だろう。

 少子高齢化で人口が減っても、人口が地方から東京へ集中する「東京一極集中」の流れはおそらく変わらない。そうなると、地方では人口が減って税収が減ることは確実。地方の役人たちとしては、それをなんとしても止めたい。そこで「地方創世」という言葉と取り組みがなされたと考えられる。

 共育学舎と共生舎については、そうした地方の役所(行政)との思惑とはまた別の思惑で動いているので、双方同じように捉えるのはお門違いだろう。共育学舎代表の三枝さんは、地域活性のためにいろいろと尽力しているものの、ある日「行政なんていうのは、俺たちの味方ではないんや」ということは話していた。それくらい地域の活動や在り方について、三枝さんは行政と審議していた。

 三枝さんらの取り組みと役所の言う「地方創生」を比べると、いろいろな意味で差があると思う。私は以前に就農の説明会に参加したことがあるが、地方の行政が主導する就農研修制度では「ガンガン働いてお金稼いで、税金をたっぷり納めてね」という先方の思惑がひしひしと感じたことを未だに覚えている。「地方創生」も根底にあるのは、やはり金なんだろう。


 いずれにせよ、上記のような取り組みはまだまだ始まったばかり。今後どうなるかは現時点では定かではないが、「地方に若者が移住して何かしらの活動を始める」というのは興味深いところ。そこについては、暖かい目で見守っていきたい。


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コメント

No title

本文について、ぼくも概ね同意です。
ただ、誤字が気になりました。地方創世→創生
(小さなことですが……)

当方のブログにこちらのリンクを張らせていただきました。
こちらこそよろしくお願いします。

Re: No title

>>ぐすくまさん
コメントありがとうございます。

>地方創世→創生
いけない、直しました。

>当方のブログにこちらのリンクを張らせていただきました。
>こちらこそよろしくお願いします。
リンクの件、確認しました。
こちらでもぐすくまさんのブログのリンクを張りました。
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