『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
(2010/09/28)
橘 玲

商品詳細を見る

 昨年(2010年)に出版された経済作家の橘玲さんの人生の指南書です。

 世界はとてつもなく残酷で、いつか自分もその世界に放り出されるかもしれない、という不安を人々は抱えている。そのような世界で生き延びるには「やればできる」という自己啓発では生き延びれない、と橘玲さんは言う。「やればできる」ではなく「やってもできない」という事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる成功哲学を提唱しています。

 本書の内容として、自己啓発でよく見られる
  「能力は向上するか?」
  「自分は変えられるか?」
  「他人を支配できるか?」
  「幸福になれるか?」
 の4つの項目(問い)に対して、進化論、心理学、進化心理学などの学術的な見解から解説しています。

 進化論や心理学などから説明される内容にはとても驚かされました。簡単に言えば「人間はあらかじめ、遺伝子や無意識の心理によって、様々なことが決められているのだから、私たちが不幸であったり、何かができなかったりするのも無理はない」ということ。進化の過程や無意識の心理で様々なことが制限されているのですから「人間って、やっぱりネガティブな生き物なんだなあ…」とつくづく落胆してしまった。

 本書の最後では、生き延びる方法として
  「伽藍を捨ててバザールへ向かえ!」
  「恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!」

 という、発言がなされています。今までネガティブな解説がガンガン書かれていましたが、それらに対する解決方法は抽象的なもので具体性に欠けているのが惜しい。(橘玲さん自体、別の本で具体的な人生指南を書いてきたので、具体的な解決策はそちらを参考にした方がよろしいかと)

 大変素晴らしい本でした。今まで読んだ橘玲さんの本では一二を争うほどの出来じゃないかと。何かしらの解決策が書いてあるわけではありませんが、「人間はなぜ不幸(ネガティブ)なのか?」という身近な疑問に、これほど完璧に答えられている本はそうそうないと思います。

 オススメです。皆さんもぜひ読んでみてください。


橘玲 公式サイト


スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する