ゲームとしての面白さにつながらなかった『メダルオブオナー ウォーファイター』

 数日前にPS3の『メダルオブオナー ウォーファイター(以下:MOH:WF)』をクリアし、PSmk2へレビューも投稿した。今回はレビューじゃ書き足りなかったMOH:WFの事柄について、いろいろとざっくばらんに書いていく。

メダル オブ オナー ウォーファイター(特典なし)メダル オブ オナー ウォーファイター(特典なし)
(2012/11/15)
PlayStation 3

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 今回のMOH:WFだが、はっきり言って出来はそんなに悪くない。だが、良作とも言えない。なぜそうなのかと言うと、今作のさまざまな要素がゲームとしての面白さにつながっていないからだ。その詳しい理由について、随時述べていこう。

 まずストーリーだが、前作に比べれば迫力ある演出やバリエーションあるミッションは増えたものの、いかんせんものすごく面白いと言う訳ではない。

 とあるステージでは、小型の無人戦闘車両を操作して敵を排除する場面があるのだが、それほど多くの敵を排除するわけでもなく、淡々と進んでいくだけ。コールオブデューティ(以下:COD)シリーズにも似たような場面があるが、こちらとは面白さに差がある。操作している時の緊張感や爽快感に差が出ているのだ。

 別のステージでは、洪水に見舞われた地域から脱出するために水上ボートを操作する場面もあるのだが、こちらもCODのものとは面白さに差がある。

 どちらの演出も操作している乗り物のスピード感や爽快感に欠けている。乗り物を操作する場面をいろいろ用意しても、そうした要素で面白みを感じなければ、非常に惜しいものになってしまう。前作(2010年版)のバギーを操作する場面に比べたら、格段に進歩しているが、高評価を与える分にはまだ至っていないのが現状だ。

 あと、ストーリーが全体的に短いのも残念だった。前作も短かったが、MOH:WFも短かった。これはMOH:WFに限らず、他のFPS作品にも言えることではあるのだが、いかんせん短すぎる。せっかく前作以上に進歩したところもあるのだから、こういうところでも進歩を見せれば、シリーズ作品としての株も上がると思うのだが。

 MOH:WFでは、ドアを突入するブリーチングに6種類の方法が用意されており、突入前にどの方法で突入するかをプレイヤーが選ぶことができる。方法は最初ドアを足で蹴破るだけしかないのだが、突入時の攻撃で敵にヘッドショットを一定数決めることができれば、方法の種類がアンロックされるようになっている。

 これだけ聴くと面白そうに見えるが、残念ながらこちらも面白さにつながっていないのだ。その理由を説明するにあたって、同じFPSである『レインボーシックスベガス1・2(以下;RSV)』と比べてみるとよく分かる。

 RSVでもブリーチングをどうするかプレイヤーが選ぶことができる。ドアを開けるにしても、普通に開けるのか、爆薬で吹き飛ばすのか。攻撃するにしても、部屋に入って発砲するのか、グレネードで一掃するのか、フラググレネードで敵を怯ませてから突入するのか。と、さまざまな方法を選べる。

 では、MOH:WFとRSVとでブリーチングは何が違うのか。それは突入後の流れである。

 MOH:WFでは突入して、敵にそのまま強襲する。この前に方法によってはフラググレネードを投げているのだが、なぜかドアの先の敵たちはひるむことなく、こちらの強襲に応戦してくる。どの方法を選んでもこの流れは変わらず、結局敵を倒すことに終始してしまう。

 一方、RSVではフラググレネードを投げても、敵がちゃんとひるむし、その間に有利に排除することもできる。グレネードを投げれば、その爆撃で敵をしっかり倒すことができる。方法にちゃんと差別化されているので、「どう進んでいくのかを的確に判断して進む」という戦略性がしっかりと出ているのだ。

 MOH:WFのブリーチングでは、RSVにあるような戦略性がまったくない。せっかくブリーチングにいろいろな方法を用意しておきながら、やることが変わらないとあっては、それらの方法を用意した意味が無くなってしまう。だったら、いっそのことCODのように普通に突入するだけのブリーチングでも良かったのではないか、と言わざるを得なくなる。


 MOHシリーズは、MOH:WFを含めて5作品プレイしてきた。シリーズ作品でこの数ほどプレイしてきたとなれば「このシリーズが好きだからやっている!」と胸を張って言えるのだが、MOHシリーズについて言えば「FPSが好きだからやっている」という感じでやっている。シリーズファンの方には申し訳ないが、私の場合はFPSそのものが好きであって、MOHシリーズ自体が好きなわけではないのだ。

 FPSが好きだからこそMOHシリーズにも手を出してきたのだが、MOH:WFをやり終えた現在、もうこのシリーズをやるのは終わりにしようと思う。

 今までは「何かFPSやりたいし、もしかしたら面白いかも」という期待を抱いてプレイしたが、結局その期待は叶わなかった。もうMOHシリーズは、私にとって満足できるシリーズ作品ではなかったことを痛感した。

 MOHシリーズ自体も、MOH:WFを最後に開発中止になってしまったそうだ(開発元であるDenger Closeが解散してしまったうえに、エレクトニック・アーツの看板ゲームもバトルフィールドシリーズに移行しつつあるという)。「次回作では○○の改善を…」といった期待もできなくなってしまった。寂しく感じることもあるが、ここまで来るともはやそう簡単には引き返せないのだろう。

 さらばMOHシリーズ。面白さと人気がよみがえるその日まで。


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