『不道徳な経済学』

不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)不道徳な経済学──擁護できないものを擁護する (講談社プラスアルファ文庫)
(2011/02/22)
ウォルター・ブロック

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 経済作家の橘玲さんの本です。副題は『擁護できないものを擁護する』。2006年刊行の『不道徳教育』が今年(2011年)に文庫化されたものです。

 本書は、『Defending The Underfendable』というアメリカの経済学者ウォルター・ブロック氏が書いた経済の本を、橘玲さんが訳したもの。

 リバタリアニズム(自由原理主義)の観点から、「不道徳な人たち」と称される人々(売春婦やポン引き、麻薬密売人など)を擁護しています。なぜ擁護するかというと、彼らの経済活動は「実質的に社会に利益をもたらし、彼らの行為を禁じることは私たち自身が損害を被ることになる」とのこと。逆に、社会的に良いとされる行為(慈善団体への寄付や法規制の強化など)は、あまり良い経済活動を生み出していないことが多く「かえって社会の利益を阻害する」として批判しています。

 読んでみると「何だ、この本は!?」と思ってしまうほどの荒唐無稽な主張が多いのですが、これまでの常識や固定観念にとらわれない新しい視点での主張や考え方が書かれています。「こんな考え方で、経済が上手く成り立つんだ!」と正直驚きました。

 ところで、本書は単なる翻訳ではなく「超訳」となっています。なぜかというと、橘玲さんが日本の現状に合わせて訳し直しているから。擁護する題材に2ちゃんねらーやホリエモンがあったり、例え話による説明でドラえもんのキャラクターを出していたりと、日本人にも身近で分かりやすい内容となっています。

 読み終えた感想としては、とても面白い本でした。荒唐無稽なリバタリアニズムの主張には驚く人も多いと思いますが、読んでいて納得できてしまうほど、書かれている主張や理論はしっかりしています。ただ、その荒唐無稽さゆえ、読む人によっては理解しがたい(人を選ぶ)要素も大きいと思います。

 経済学の考え方・知識の一つとして、読んでおいて損はない本です。「リバタリアニズムがどんなものか知りたい」という方にもオススメ。


橘玲 公式サイト


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