『幸福途上国ニッポン』

幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言幸福途上国ニッポン 新しい国に生まれかわるための提言
(2011/06/24)
目崎 雅昭

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 城繁幸さんのブログにて紹介されていた本。副題は『新しい国に生まれ変わるための提言』。城さんの記事を読んでみて興味がわいたので、私もさっそく買って読んでみました。

 本書では、日本人には低いとされている「幸福度」について、さまざまな見解や調査資料をもとに、日本人がもっと幸福になれる提言が書かれています。本書の著者である目崎雅昭さんは世界100カ国以上へ10年近く旅をしていたといい、タリバン政権時のアフガンへも訪問したことがあるというほどの経歴の持ち主。

 日本は世界の国々の中でも、物質的にも制度的にも豊かな先進国の一つであるのに、幸福度は1958年から2000年まで生活満足度はほとんど変化していないといいます。戦後GDPはアメリカに次ぐ第2位の経済大国(現在は中国に抜かれ第3位)にもなった日本ですが、国民の幸福度は諸外国(欧米はおろか、日本よりも恵まれていない一部の発展途上国にすら)に比べても低いです。

 日本の幸福度の低さは、毎年3万人の自殺者数や長引く不況によるデフレなどで、「幸せじゃない」と実感する方も多いかともいます。しかし、本書の指摘では日本人の幸福度は1950年代からあまり変わっていないのが事実です。

 本書以外にも、橘玲さんが取り上げている、アメリカの労働者と日本の労働者との仕事の満足度について日米比較された調査事例があります。橘さんの公式サイトに詳細がアップされていますが、ご覧いただければ分かる通り、1980年代のバブル経済で日本が絶好調だった時期でも、日本の労働者は自分たちの仕事に対してあまり満足していませんでした(逆に日米貿易摩擦で不況だったアメリカでは、労働者の仕事に対する満足度は高いものになっていました)。

 本書の内容は、まず幸福度について、「幸福な国の条件」や「世界の幸福事情」などを調査。次に「日本人の幸福度がなぜ低いのか」を分析し、さまざまな学術的見解から幸せの定義を模索。最終的に「どうしたら日本は幸せな国になれるのか」を考え、幸せになれる著者の提言をまとめています。

 「幸福」という概念自体、とても抽象的で考察するのがとても難しいのですが、著者は自身の経験・体験や、文化・心理などに関する理論・資料にもとづいて、公正でわかりやすい考察を行っています。著者の体験や取り扱う資料の中には、日本人は知らない面白い事実があったりするので、驚きました。


 読み終えた感想ですが、大変素晴らしい本でした。事前に知っておかなくてはならない予備知識も必要なく、論説もわかりやすいので読みやすいです。閉塞感ただよう現在の日本において、是非読んでおきたい本。オススメです。


目崎雅昭オフィシャルサイト


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コメント

『幸福途上国ニッポン』の著者です

拙著を紹介していただきまして、ありがとうございました。
いろいろな角度で「幸福」と「文化」の関係について考えるきっかけになっていただければ嬉しいです。


コメントありがとうございます

>目崎雅昭さん
コメントありがとうございます。
著者ご本人から直々にコメントをいただけて、大変嬉しく思います。

私は経済や社会情勢に関する本に興味があり、特に日本は知ってのとおりのご時世ですので、今回の目崎さんの本は大変参考になります。
目崎さんの公式サイトも訪問させていただきましたが、大変参考になる情報が多くて、面白かったです。
今後もいろいろ参考にさせていただきます。
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